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ヌチグスイ*

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食べものは薬になるとの琉球言葉。ヌチグスイ。心身が健やかになる食べ物にまつわる思い出や謂れ、食べ方、栄養についてのエッセイ。
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#ヌチグスイ

金針菜(キンシンサイ) ヌチグスイ*➉

生の金針菜を初めて口にしたのは、2年前の12月初旬の伊勢参りの晩ごはんだった。思わぬところ…

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金木犀 ヌチグスイ*⑩

金木犀の花の香りが風に乗って街中を漂い、鼻孔をくすぐる季節がやってきた。 その小さな花は…

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真菰(マコモ) ヌチグスイ*⑨

また、マコモダケの美味しい季節が巡ってきた。クセのないホックリとした歯ごたえと、ほんのり…

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梨 ヌチグスイ*⑦

梨が「ありの実」と呼ばれると知ったのは、結婚してからだった。当時安全な食べ物をグルーブで…

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甘酒 ヌチグスイ*⑥

わたくしが育った家では、寒くなると、居間のストーブの上に置かれた鍋に、小豆が入っていると…

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鮎と蓼 ヌチグスイ*⑤

葉月の旬の魚は、鮎。 きれいな川で育つとスイカ、そうでない川で育つと胡瓜の香りがするとか…

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蓮始開(はすはじめてひらく)お茶会 ヌチグスイ*②

夏の夜明け、まだ暗闇が広がる水辺で、蓮のつぼみが微かな音ずれと共にゆっくりとほころぶ。まさに「蓮始開」。七月十日過ぎの七十二候のひとつだ。 蓮花は高貴である。色も形も芳しさも。花言葉までも「清らかな心」「神聖」。何事にもゆるめなわたくしには、まったくもって高嶺の花。 そんなことを考えていると、肩の凝らない喫茶去いかがと友人のお招きがあった。いそいそと出かけると、思いもよらない蓮のお饗し(ここ数年、おもてなしの言葉がなんだかイメージ低下しているが、裏もないのでこの言葉を使い