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ヌチグスイ*

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食べものは薬になるとの琉球言葉。ヌチグスイ。心身が健やかになる食べ物にまつわる思い出や謂れ、食べ方、栄養についてのエッセイ。
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記事一覧

夏越のための和ハーブ 紫蘇 ヌチグスイ*㉙

年々とやり過ごす難易度が上がってきている、日本の夏。 気候の変化に順応しづらいのは、自分…

名艸まさ美
2か月前
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立春大吉 豆腐 ヌチグスイ*㉘

昨年の立春は、和菓子を頂いて寿いだ。 今年は自宅で、大人しく?新春を祝うことになり、はて…

名艸まさ美
6か月前
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秋にしっくり 食べてほっくり 栗 ヌチグスイ*㉗

食欲の秋が訪れた今、なぜか同時に栗のマーチも我が家にやってきた。離れて暮らす家族から、ご…

名艸まさ美
10か月前
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神の実?トウモロコシ ヌチグスイ *㉖

家庭菜園上手の叔父が、どっさりと届けてくれたトウモロコシ。間引いたヤングコーン(ベビーコ…

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まめに暮らそう2 黒豆 ヌチグスイ*㉕

大人になってから好きになる食べ物というものがあると、思う。わたくしにとっては、黒豆はその…

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柿食えば ヌチグスイ*㉔

台所の窓から外を眺めると、今はシオンの薄紫の花が秋風にそよいでいる。その奥にひょろりと柿…

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恥じて隠すものなど無き 無花果 ヌチグスイ*㉓

まだまだ残暑厳しいが、朝夕集く虫の音に秋の気配?と思ったら、ほぼ時を揃えたかのように、ご近所さんからイチジクが届き始めた。 そしてこれは、スーパーのフルーツコーナーで見かけ始めたタイミングとも同時だ。日持ちが短くデリケートな果皮の果物なので、店先には近隣の成果物を並べるためだろう。 頂き物を早速、そのまま皮をむいて、今年の初物をぺろりと頂いた。口の中にねっとりとした触感とふうわりとした甘さ、鼻孔に独特な香りが広がる。種のプチプチとした歯の感触も個性的なイチジク。実は、我が

命拾いの西瓜 ヌチグスイ*㉒

数十年ぶりの夏の実家で、スイカを堪能する日々。 母が「一番暑いお盆と、一番寒い年末年始は…

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大薬王樹 びわ ヌチグスイ*㉑

今年も枇杷の実がスーパーの果物コーナーに並び始めた。その実を見ると、条件反射のように思い…

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皐月の厄払い 菖蒲とヨモギ ヌチグスイ*⑳

「端午の節句に菖蒲湯」と聞くけれど、なんとその菖蒲はお花が地味なものだと知って驚いた。わ…

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旬(10日)で竹になるタケノコ ヌチグスイ*⑲

子どもの頃からのタケノコ好きである。母の作る甘辛い若竹煮が好物で、食べ過ぎて、口の横にプ…

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つくしとスギナ ヌチグスイ*⑱

壁のカレンダーが3月になると、つくしを探さなくては、という季節のお約束モードが発令される…

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春は牡丹餅 ヌチグスイ*⑰

春分の日。昼と夜が同じ長さで、太陽が真東から昇り、真西に沈む日。春分は春の到来となる日で…

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まめに暮らそう 小豆と大豆 ヌチグスイ*⑯

「まめ」という言葉は、たくさんの意味を持つ。漢字で豆と書くと、大豆をはじめとした、いろんな種類のマメ科の種子を表す。それらの豆は日本人にとって欠かせない植物であり、だからこそ言葉の意味するところも興味深い。 まずは、日本食に特に大切な、小さい豆と大きい豆について、「豆」知識をまとめてみよう。(この場合の豆は「メインじゃないけれど、ちょっとした、役に立つ」の意味だそう。) わたくしが一等好きな、小豆。子どもの頃はそうではなかったのに、年を重ねるほど小豆が好きになっていくのは