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【読書リハビリ10月】本を読めない24歳の読書記録 "ひと"

どうしても読んでいた本が面白くなくて、新しい本を探していたときに見つけた本です。
ごはんが題材の物語が読みたかったのに、男の子が表紙の小説を選んでしまった理由は、コロッケの形をしたPOPが可愛かったから。
コロッケと書かれていないと判別できないような、ただの茶色くて丸いPOP、ナイスアシスト。

【ざっとしたあらすじ】
身よりがなくなった男の子が、コロッケをおばあちゃんに譲ったことをきっかけに、ゆっくり、着実に前に向いていくという物語。
コロッケ屋の店主をはじめとする従業員たちが本当にいい人たちで、あったかいです。

本当にじ〜んとくる言葉と行動で、通勤中の電車でにやにやしてしまうほどでした。

早速一番すきなところ↓

「こだわりはなんですか?」
「ねえよ、そんなもん。ウチのだからうまいわけじゃない。コロッケってもんがうまいんだ。そのコロッケをつくる。それだけだな。」

ここまじで好き。世の中にあるものって全部こだわりがなくてもいいのかとハッとさせられました。最近、働いたお金を自由に使えるようになったからか、ものを買うときに「こだわり」や「思い」があるものを選ぶようになりました。
もちろんそれもすてきだと思っているんだけど、オリジナリティって必須じゃなくていいんだと思えたし、そう思えると気持ちが身軽になりました。

さらに、もう一つ好きなところ↓

「僕は受け入れたのだ。一人で生きていくために、大学の学費以上に高い授業料を払ったことを。」

親戚に訳あってお金を渡すシーンなのですが、
授業料だと思えば、人のことも出来事も許すことができるって、素敵な考え方だと思いました。
そして、人を許した方が、自分が楽に生きられるということも改めて感じました。

久しぶりにページを捲るのが楽しくてたまらない本に出会えて、本当にうれしかった。
どうってことないコロッケ食べたい。SNSやグルメ本に載せる人が気づかないようなコロッケが食べたい。


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