見出し画像

【読書リハビリ6月】本を読めない23歳の読書記録「まずはこれ食べて」

6月の小説は、ベンチャー企業、ごはんというワードに惹かれて選んだ原田ひ香の『まずはこれ食べて』。
このお話めっちゃ好きだった!
終始出てくるごはんに心躍らされていました。

ほかほかの鯛めしとか、具沢山のけんちん汁とか、カレーうどんとか…身体が元気になるごはんだけじゃなく、辛ラーメンまで出てきた。こういうごはん系の本ってほっこりごはんだけじゃないのか!
そして出てくるごはんに触発されて昆布と大きなどんこの干し椎茸を購入。
鰹節しかなかった我が家に乾物が増えました。楽しい。
(どんこは国産が高かったので、お財布と相談して中国産をチョイス)

このお話の好きなところは、そわそわするシーンが出てきても合間にでてくるごはんが現実に戻してくれるところ。
「そわそわ」「ホッ」を繰り返しながら読み終えました。

ほっこりごはんの平穏物語だと思っていたので、思いもよらない過去に途中からドキドキが止まらない。

私はホラーだけじゃなく、感情剥き出しの胸糞悪い話とか「実は〇〇だった」、「衝撃のラスト」みたいな物語が苦手です。眠れなくなる。
なのに続きが気になって読む手が止まらず、夜中の2時に読み終えてしまいました。
心がぞわぞわして暗い部屋で眠るのがこわかったので、部屋の電気を全部つけてむりやり寝ました。
なんかめっちゃ怖い物語を読んだ感想になってしまった。
正直、どうして田中が家政婦をすんなり雇えたのかがわからないのでもう一中読み直したいです。でもそわそわするので、読み直すのはもう少し先。

大学時代の仲間で立ち上げた会社は、男3人(4人)、女1人。
疲れ切ってまともなごはんを食べていない若者たちのベンチャーに、この空気を変えようと田中くんが家政婦を雇います。名前は忘れました。
この家政婦の距離感、とても好き。
みんな悩みを見せないよう、上手く取り繕っているつもりなんですが、家政婦にはバレたり、本音が話せたりします。
仲間内での企業という狭いコミュニティの中で、明らかに態度を変えたり、わがままにならないようにしている若者たちが成長途中の人間って感じがしました。一人ひとりに愛着が湧く。

そして家政婦の、家政婦としての距離感で一人一人に寄り添っているところがとてもじんとくる。
私もごはん作ってもらいたいし、近すぎず遠すぎずな距離感の知人が欲しい。
唐揚げがいいな。家政婦が台所で唐揚げを作っているところに、ハイボール片手に入ってきて、ダラダラと話しながら唐揚げをつまみ食いしたい。

大きな鍋で作るカレー、なんであんなに魅力的なんやろう。
この前、いつもの小鍋じゃなく大きな鍋で味噌汁を作ってみたらとてもとても楽しくて。料理をした充実感を味わえました。
NHKでドラマ化された「作りたい女と食べたい女」とか、リールで流れてくる家族4人のごはん準備動画とかをよく見ているんですが、この本も同じで、誰かのためにご飯を作って一緒に食べるってめっちゃ幸せなことなんだと気づかされました。
同棲じゃなくていいので同居したい。もしくはお隣さんにご飯をおすそ分けしたい。




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?