エスケープ

サムライ・エスケープ③

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 おれの運否を賭けた刀は、見事にヤヘジを守るガラスを砕いた。

「テッチュロウ、貴様あ!」
「ヤヘジ、さらばだ!」

 ヤヘジの眉間を、刀が貫く。
 乗り手を失った絡繰が、前のめりに倒れ始める。
 おれはギリギリまでへばりついた後、近くへ飛び降り。そのまま駆け出した。爆発の危険が、あるからだ。

 しかし。

「テッチュロウ、ゴヨーダ!」
「ゴヨーダ!」
「ゴヨウ!」

 おれを押し戻すように、電磁サスマタが次々と突き出される。
 そりゃそうだ。絡繰巨人まで出しといて、連中が策を練っていない訳がねえ。
 見ろ、後から後から迫って来ている。揃いの格好から見るに、こいつらはサウザン・ドーシン。奴らの忠実な手先共。

「ちいいっ!」
「ゴヨー!」

 広がり、包囲され。上下左右から次々とサスマタが出てくる。刀のない俺には、避けるのが精一杯だった。しかし。

 ドドオン!

 後方で、爆発音が耳を叩いた。絡繰巨人の、この世から消えていく音。これで、おれの逃げ道は消えた。

次回→

#逆噴射小説大賞
#逃げる
#サムライ
#繋がっても繋がらなくてもいいから俺の創作を見てくれ
#サムライエスケープ
#ひたすら倒す
#爆破する

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