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【4コマ読書記録】『ドン・キホーテ」第3章

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Capítulo III. Donde se cuenta la graciosa manera que tuvo don Quijote en armarse caballero

まだ冒険の序盤の序盤・第3章。ドン・キホーテに一国の城主だと思われている宿屋の主人。彼は主人公の思いつきの騎士叙任式に付き合わされ、めちゃくちゃ適当なラテン語を呟いて彼を遍歴の騎士にしてあげる。もともとドン・キホーテが狂人だと会った時からわかっているが茶番にちゃんと付き合ってあげるのだ(この物語にはそういう脇役が多い)。

しかし本章での宿屋の主人の最大の功績は、ドン・キホーテにお金の大切さを教えてあげたことである。ドン・キホーテは食事を含めてこの宿に一晩世話になったが、なんと銭を全く持っていなかった。¡¡ SIN DINERO !! なぜかと聞いたら、彼がこれまで読んできた騎士道物語には、持ち物の記述の中にお金がなかったからだという。それを受けて主人、「作者は必要じゃないから書いていないだけで、どんな騎士も普通はお金を持っているし着替えも持っている。まさか不所持なんて発想がないから省略しているだけだぞ!」とゲームのシナリオライターのように懇切丁寧にドン・キホーテに解説する。

「なるほど!」と納得したドン・キホーテは、主人から教えられた携帯品を取りに一回家に帰ることにする。去り際に宿代も払わずに颯爽と出て行ったが、宿屋の主人はそれを特に咎めることなく見送った。この主人はアンダルシア出身の元悪党とのことだが、とても良い人にしか見えないのであった。

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