名大は全国屈指のレーシングカー強豪校! EVカーで日本一を目指して
名古屋大学フォーミュラチームFEM
今回紹介するのは、EV(電気自動車)レーシングカーの開発に取り組む「フォーミュラチームFEM」。全国の大学が参戦する「学生フォーミュラ日本大会」で、2017年大会からEV部門4連覇を果たした「名門」です。前回大会はアクシデントに見舞われ優勝を逃しましたが、今年8月開催の大会で日本一を目指し、出場マシンの製作に没頭中です!
活動拠点のガレージは、今春完成したばかりの工学部EI創発工学館。放課後になると、授業を終えたメンバーが続々と集まってきます。
総勢50名のチーム代表を務める澤田侑典さん(工学研究科修士1年)。今年のマシンには並々ならぬ手ごたえを感じています。「これだ!といえるのはカーボンモノコックフレームと4輪独立駆動です。どの大学にも負けません!」と断言します。
車体製作を担当する池口祥太さん(工学研究科修士2年)は「特長は、ズバ抜けて軽いこと。カーボン繊維の向きを精密に貼り合わせ、高強度と軽量化、低燃(電)費を実現しました」と胸を張ります。バッテリを含めた車体重量は220㎏。名大が以前採用していたパイプ製の車体(約300kg)より3割近い軽量化に成功しました。
4輪独立駆動は、国内で採用している大学は名大だけという難易度の高い技術。その名のとおり、4つの車輪それぞれに装備したモーターをプログラム管理して、素早い応答性と精密な車両制御を可能にします。
車両の走行の生命線となるプログラムは“一子相伝”。代々、上級生から下級生に引き継がれ進化を続けています。そんなプログラムの “後継者”に名乗りを上げたのは、工学部2年生の星野光輝さん。車両の動作、加速、モーターの回転数など、あらゆるデータをセンサで収集し、プログラムに反映させていく作業に向き合いながら、「分からないことばかりですが、もともと興味があり、やりがいの大きな仕事です」と苦労を楽しむ毎日です。
取材している間も、ガレージのあちらで車両内の配線を話し合う姿、こちらで車両の電装をテストする姿など、担当に分かれたメンバーが自発的に課題解決しながら作業が進行していきます。
こうした活動に対して賛同・共感したスポンサー企業は約130社に上るとのこと。使用機材やシステム、技術などのサポートを得ながら、全国の大学の中でも「EV技術は名古屋大学」として定着してきました。
目の前にある目標は「日本一の獲得」。今年8月に開催される学生フォーミュラ日本大会でのEV部門優勝、そしてEVでは誰も成し遂げていない、全体の総合優勝です。昨年大会で敗退の原因となった“メンテナンス性の悪い構造”はもちろん、すでに解決済みです!
代表の澤田さんは「名古屋大学の看板を背負い、日本一を目指します!」と目を輝かせます。
※フォーミュラチームは現在、マシンの性能に直結するバッテリの新規購入のため資金援助を呼び掛けています。(7月9日まで)
READYFORクラウドファンディング
「名古屋大学FEM 世界レベルのEV開発への挑戦」
https://readyfor.jp/projects/formulastudent-nagoya