見出し画像

ナポレオンによってオーストリア支配から解放されたイタリア・ルッカ。鬼才パガニーニもナポレオンを讃えた!パガニーニ『ナポレオン・ソナタ』

こんばんは。名古屋クラシック音楽堂(@nagoyaclassicca)です。戦争に直面した戦勝国と敗北した国のそれぞれの立場によって、同じ歴史の一場面でも全く正反対な評価を得るものですね。

フランス革命の申し子のようなナポレオンの人生は、まさにヨーロッパ中において英雄と侵略者の両面を振り子のように捉えられました。今日も「フランス革命×クラシック音楽」シリーズの8本目をお届けします。

ニコロ・パガニーニの半生

ヴァイオリンの鬼才と称されたパガニーニは、1782年、現在のイタリア、当時のジェノヴァ共和国で生まれます。

5歳の頃からヴァイオリンを始めたパガニーニは、13歳になると学ぶべきものがなくなったといわれ、そのヴァイオリン演奏のあまりの上手さに、「パガニーニの演奏技術は、悪魔に魂を売り渡した代償として手に入れたものだ」と噂されました。

1801年、18歳の時にルッカ国立管弦楽団主席ヴァイオリン奏者に就任し、11805年、23歳でルッカ=ビオンビーノ大公妃エリザ(ナポレオンの妹)により、宮廷楽団第2ヴァイオリン奏者に任命されます。

1809年、27歳の時に宮廷を辞して、フリーランスの演奏家になり、イタリア各地で演奏活動を行います。

18世紀~19世紀初頭のイタリアの歴史とナポレオンの妹アンナ・エリーザ

18世紀のイタリアはオーストリア・ハプスブルク家の神聖ローマ皇帝がスペインの持っていたイタリアにおける権利を手に入れていました。

1796年にフランスの将軍としてナポレオンがイタリアに侵入します。イタリアの住民はオーストリアの圧政に耐えかねていた為、ナポレオンを解放者として受け入れ、戦局はナポレオン優位に動きました。

ナポレオンは1805年、オーストリアから奪ったヴェネト地方、エトルリア王国などを統合し自身を大統領とするイタリア共和国を建国し、皇帝になるとともに共和国はイタリア王国となった。

イタリア中部にあるルッカという都市では、ルッカ共和国が成立し、それを引き継ぐ形で、1815年ルッカ公国が成立します。このルッカには、ナポレオンの妹、アンナ・エリーザが女公として封じられます。

パガニーニとナポレオン

パガニーニは、ナポレオンの妹アンナ・エリーザに宮廷音楽家として仕えていました。そして皇帝ナポレオンの誕生日に際してお披露目された『ナポレオン・ソナタ』を作曲しています

故郷イタリアをオーストリアから解放した英雄ナポレオンに捧げられた曲です。

ただし、パガニーニはナポレオンの二人の妹、エリーズ・ボナパルトとポーリーヌ・ボナパルトと浮世を流したともいわれ、純粋なナポレオンへの称賛だけでなく打算のようなものも感じられます。

名古屋クラシック音楽堂はTwitterもやっております。

Opera スナップショット_2020-07-25_230342_twitter.com

名古屋クラシック音楽堂のTwitterでは、毎日クラシック音楽に関するニュースや、演奏会・ライブ配信などの情報をシェアしています。ぜひフォローお願いします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?