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名古屋大学 研究フロントライン

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ポッドキャスト番組「名古屋大学 研究フロントライン」をテキストでお届けします♪ 名古屋大学の最近の研究の話題を、週に1回、柔らかめのトーンで紹介しています。
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#トランスフォーマティブ生命分子研究所

速いもん勝ちじゃない、成功するオスの意外な戦略を可視化

名大で”息を呑むほど美しい顕微鏡写真”といえば、水多 陽子さん(トランスフォーマティブ生命分子研究所/高等研究院 助教)。「やっぱりお花が好きで、ずっと研究しているんです」という水多さんが特に魅せされているのは、めしべの中で繰り広げられるいのちのドラマ。 花が咲くとどのように種ができるのか──。シンプルな問いを突き詰めると、見えてくるのは実に壮大で、神秘的としか思えない世界。10年以上の年月をかけてようやく可視化に成功した水多さんが、レンズの向こうに見たのはオスたちの意外な

赤い光も青い光も大事!植物の気孔開口に関わるしくみを解明!

今回は、ITbMのイチオシの植物の気孔についての研究成果を紹介します。 植物の体の表面にある気孔は、孔辺細胞とよばれる1対のゼリービーンズのような形をした細胞からなり、まるでヒトの唇のような形をしています。 その間の小さな孔を開閉することで、植物は二酸化炭素や酸素などのガス交換や水分調節をおこなっています。まさに、気孔は、植物の成長と生存に必須な細胞器官といえます(図1)。 その気孔は、太陽の光に応答して開きます。名古屋大学の研究グループはこれまでに、青い光が当たるとど

50. 植物の気孔はじっくり時間をかけて作られる!

植物の気孔ができるときに、細胞分裂でどのようなことがおきているのか、明らかになりました。世界を変える新しい分子を発見・開発するトランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)イチオシの研究成果です。 ↓音声でもお届けしています♪ 植物の体の表面にある気孔は、孔辺細胞という1対のゼリービーンズのような形の細胞からなり、まるでヒトの唇のような形をしています。その間のわずかな隙間を開閉し、二酸化炭素や酸素などのガス交換と水分調節をおこなっています。 気孔は、植物の成長と生存に

体内時計を遅らせる分子に、光スイッチをつけたら… 【10】

今回は、以前にも登場していただいたITbMの三宅恵子さんに、次なる研究成果を紹介していただきます。ITbMは、名古屋大学にあるトランスフォーマティブ生命分子研究所のことで、世界を変える新しい分子をつくる研究で活気あふれる研究所です。 先日はKakshineという名前もすてきな色素分子をつくった研究を紹介していただきましたが、今回はどんな研究でしょうか? ↓ 音声でもお届けしています! こんにちは。ITbMの三宅です。 今回紹介するのは、細胞の1日のリズムを刻む「概日時

Kakshine(カクシャイン)☆多くの生物の核を輝かせる蛍光色素 【7】

名古屋大学には、世界を変える新しい分子をつくる研究で活気あふれる研究所があります。その名をトランスフォーマティブ生命分子研究所、英語名の頭文字をとって、ITbMと呼ばれています。 今回は、ITbMのユニークな研究を一般の方々にも広く知ってもらうお仕事を担当する三宅恵子さんから、イチオシの最新の研究成果をご紹介いただきます。 ↓ 音声でもお届けしています! こんにちは。ITbMの三宅です。 今回紹介するのは、細胞の中のDNAに色をつけて観察しやすくする画期的な色素分子を開