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名古屋大学 研究フロントライン

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ポッドキャスト番組「名古屋大学 研究フロントライン」をテキストでお届けします♪ 名古屋大学の最近の研究の話題を、週に1回、柔らかめのトーンで紹介しています。
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2023年10月の記事一覧

レーザーの新たなミッション「宇宙ゴミを大気圏再突入させよ!」

2023年9月25日の名大カフェに来てくれたみなさんに聞きました。 「宇宙ゴミ」のイメージは? 放っておいたらやばそう……みなさんが感じているように、宇宙ゴミ問題は深刻な社会課題です。これに「レーザー」で切り込む産学共同プロジェクトが進行中です。 佐宗章弘さん(名古屋大学 大学院工学研究科 教授・副総長)は、航空宇宙工学のスペシャリストとしてこのプロジェクトに参加しています。佐宗さんをゲストに迎え、宇宙ゴミ問題や回収技術の今を伺った第96回名大カフェ「レーザーの新たなミ

「眼トキソプラズマ症」って聞いたことなくても、他人事ではない…!?

トキソプラズマという寄生虫が体内に入ることで感染する「トキソプラズマ症」。実は、日本の成人の20〜30%が感染しているといわれています。 「トキソプラズマ症自体は、眼科で診療していると結構遭遇します。ほとんどの方が気づいていないですね。」 そう話すのは、名大附属病院で眼科医を務める山田和久さん(医学研究科 大学院生)。トキソプラズマ症の症状が目に現れる「眼トキソプラズマ症」を研究しています。 医療体制が整った日本では、眼トキソプラズマ症が重症化することは多くありません。

「自閉スペクトラム傾向と白黒思考」に学ぶ、誰もが生きやすい社会へのヒント

自閉スペクトラム傾向の強い人は、ある心理状態を介して、ものごとを白か黒か二分的に捉える傾向がある──。以前からの仮説が、最近の認知心理学の研究で実証されました。 「自閉スペクトラムの傾向があるのは、自閉スペクトラム症の診断を受けている方だけじゃないんです。『スペクトラム』なので、診断を受けていない方も多かれ少なかれ自閉の傾向を持っていることもあるんですよ。」 そう話すのは、研究を行った平井真洋さん(情報学研究科 准教授)。人の社会性の広がりを理解する研究の一端として、自閉

新型コロナウイルス対策に朗報!数理モデルでクラスター発生確率が計算可能に!

新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、よく耳にしてきた「クラスター」という言葉。小規模な集団感染や、それによってできた感染者の集団のことをいいます。病院や学校などでクラスターが発生し、新型コロナウイルスに集団感染してしまった…!というケースは珍しくありませんね。 今回、感染者ごとのウイルス量の個人差を考慮した上で、新型コロナウイルス感染によるクラスターの発生確率を計算できるようになりました。 数学とウイルス学、公衆衛生学による、異分野融合研究の成果になります。 研