残ることにも福がある
2020年10月24日、私はグッドパッチ入社をして丸4年を迎えました。
いやいや時間の経過早いものですね(グッドパッチ以外の会社は3年以上在籍したことがありませんでしたので引き続き最長在籍記録更新中ですw)。
振り返ればこの4年目も本当に色々な事がありましたが、これまでと違って特別な1年だったように思います。
その中でも2020年6月30日東証マザーズへの上場は最大の出来事でした。
まさか自分が上場の瞬間に立ち会えるとは・・という気持ちと共によくあの状況からここまで来られてなあという気持ちが入り混じっていました。
恐らく多くの人が見られたであろう組織崩壊の話。
あの状況を目の当たりにしていた身としては上場なんて夢物語。絶対に無理とまでは思ってはいないものの限りなく無理に近いという感覚でした。
私自身も色々な困難に直面。
離職率40%超えが2年続いたり、チーム運営に失敗したり、そのほかも色々有り過ぎて精神的にも疲弊していました😭
星の数ほど辞めようと思っていましたし、実際に転職活動をしていたことも何度か。今は転職しなくてよかったという思いがありますがそのぐらいギリギリの局面だったわけです(完全土俵際。51対49で残留w)。
そんな状況からまさかのまさかのIPO。
まるでドラマのような展開でその日を迎えたのでした。
上場承認の日も面談しながら泣いてましたが、スピーチをさせていただける機会をいただいた時も泣いてしまうなど本当に良い体験をさせていただいたと思います。
苦しい時も有りましたが、残ったからこそ得られた体験でした。
めでたし、めでたし🤗
・・・いやいや終わりませんよ!
今回のnoteはこれが本題ではないのであります。
今回、ちょうど良いタイミングでキャスターさんから昨年に引き続きアドベントカレンダーを書く機会を頂きましたので、4年間の振り返りを含めてnoteを書かせていただくことにしました!
なのでここまではプロローグ。
今回のnoteはお題の通り「残ることにも福がある」ことをお伝えする事が目的です!
今回伝えたい想い
えー、きっと熱心な小山ファン(?)はご存じかと思いますが、私はこれまでに転職6回経験、飲食、人材、小売、ゲームなどを渡り歩き、1社あたりの平均在籍年数2年という典型的なジョブホッパー。
自称「転職のプロ」です!(ドヤ顔をご想像ください)
ただグッドパッチでホッピングのスピードが落ちまして、現在は1社での在籍年数記録(4年2ヶ月)を更新し続けております。そんなので記録更新と言われても・・というツッコミはあるかもですがあくまで当社比ということでご容赦ください。
軽いノリはこのぐらいにしてこうやって在籍年数を重ねる中で色々気付いたことがありました。それはHR(だけではないと思いますが)も「長く在籍するからこそ見えるもの、得るものがある」ということです。
当たり前と言えばあたり前のことなのですが、HR領域は比較的採用手法が話題になることが多いこと(要は短期的な成果の部分)、そのほか私自身もそうでしたが比較的短いスパンで転職をする方も珍しくなくなっており、この辺りにスポットが当たることはあまりないように個人的に感じます。
ちなみに採用手法にスポットが当たることや、短期スパンで転職をすることを否定しているのではなく、あくまでこういった視点もあるというニュアンスです(そもそも自分がそうでしたしね!w)。
では早速ですが、自分自身が激動のグッドパッチに在籍して気付いたことを書かせていただきたいと思います。
信頼口座の残高を増やさないとやりたいことはできない
HRとして経験を積んでいく中で一定期間が過ぎると「採用以外のこともやりたいなあ・・」と思うようになります。HRで転職を希望される方の理由の中でも多いものの一つではないでしょうか?
ただ多くの場合はこの願いが叶う可能性は比較的低く、私自身もそういった体験をしてきた一人です(弊社は除く)。いわゆる「チャンスをもらえない」状態。当然そういった状態が長くなれば不満へと繋がりチャンスを求めて転職したりするわけです。
私も何度もそう感じたことはあるんですが、あることがきっかけでグッドパッチに入社後「なぜチャンスをもらえないのか」を自問自答する機会があった中で「任せてもらうレベルまで信頼口座の残高を増やさないとアカン!」という結論に辿り着きました。要はまだ任せてもらえるだけの信頼を得られてないと思ったわけです。
このあたりは会社で受けたスティーブン・R・コヴィー博士の著書、「7つの習慣」関連の研修の影響もあると思います(受講させてくれた会社に感謝!)
ではどうやったら信頼口座の残高は増えていくのか?
個人の体験を元にHRの観点を混ぜながら書かせて頂きます。
HR的な信頼口座の残高の増やし方
いきなりであれですが信頼口座の残高の増やし方はテクニックではなく、約束を守る、期待に応える、謝罪が出来る、謙虚さなどが信頼口座の残高が増えることに繋がります(この辺りは7つの習慣をお読みになった方であればご存知かと思います)。
ではこれを業務に置き換えて考えてみると、求められていることに愚直に向き合い成果を出すことではないかと思います。例に挙げれば、採用数達成が求められているのであればそれを達成する、未達であれば現実を受け止め言い訳せずに謝るなどでしょうか。
書いてあることは決して難しいことではないように感じますが、やれていないことの方が体験的には圧倒的に多いです。うまく行っていない原因を探ると大体この辺りに原因があることもしばしば。
未達なのに脱線して違うことをやり出したり、現実を受け止めず達成出来ない理由を探して謝罪しなかったり・・。
小山さんは言ったことをやってくれないと言われたこともあったなあ・・。
思い返すと心が痛い😇
やり方を間違えると・・・
ただ1点気を付けた方が良いことも有りまして、結果を焦るがあまりに過去や現在のやり方を否定したり、強引に変えようとすると逆に信頼口座の残高が減ります・・・。前職で実績が出たやり方であっても無礼や高慢にとられない範囲でまずは無難にトライした方が良いというのが個人の感想です。
何気に私も入社から半年はその時のグッドパッチのオペレーションに則り、その中で成果を出すことに注力しました。当時のHRはオペレーションがメインで選考フェーズには関わっていなかったのですが、その中で現状の課題、職種理解を深めつつ代表の土屋とのコミュニケーションを増やし(当時は私が会って良いなと思った人全員いきなり土屋に会ってもらっていました)、少ないながらも成果に繋げることが出来ました。
何はともあれ信頼口座の残高を増やすことに王道はないはないので、愚直にコツコツやることをオススメします。
信頼口座の残高が増えると世界が広がる
地道に成果を積み上げ信頼口座の残高が増えるとある変化がおきます。その変化とはこちら側の提案も受け入れてもらえやすくなったことです。簡単に言うと「あの人が言うのであれば」という状況に近いでしょうか。
過去を振り返ってみると、あの人はわかってくれない、任せてくれないと他責にしていましたが、正しくはやっぱりそれに値するような信頼口座の残高に達していなかっただけだったんだなあと・・・。
信頼口座の残高が増えれば増えるほど周りを巻き込みやすくなりますし、個人に任される裁量も増えます。自分のやりたいことを実現したいのであればやはり信頼口座の残高を増やすアクションし続けるしかないかと。
応用編、そこに経営視点はあるか?
さてここまでは信頼口座の残高について書かせて頂きましたが、実は一定の基準まで行くと壁にぶつかります。確かに裁量はあるものの役割の範囲内(採用なら採用)に止まり、以前(信頼口座の残高を増やす前)と同じような現象が発生します。私もそういったジレンマを色々な会社で抱えていました。
ただ、今思い返すと経営視点が十分ではなかったことがジレンマを抱えた原因だと痛感しています。
採用以外をやりたいと言っても、経営状況によっては採用が最重要課題なこともあるのでそこに注力をしてもらうという判断は経営的には間違っていません。その場合HRに求めていることは採用なのでまずはそこでバリューを出す必要がありそこを乗り越えないと次のチャンスはきません。私自身もこれまで自分の理想にこだわり過ぎていて経営からHRに求められていることに気付いていなかったんだと思います。
気付いたきっかけ
ちなみに気付くことが出来たのは私の現在の上司である柳沢さんから口酸っぱく言われた(「これって事業の成長にどう繋がります?」的な)ことと、取締役の松岡さんの一言でした。
小山さんがやったことは採用数の部分だけではなく、小山さんが採用に関わったことで、離職率が下がり、案件の継続率も上がり、これまで出来なかった案件も出来るようになりました。
採用数や採用手法の所に目が行きがちだった私が、HRとしての経営に貢献出来ている気付かされた一言です。IPOの時にもありがたいことに何名かの方にこれと近い言葉をかけて頂いてありがたかったです。
ただこれはあくまでその当時の話でこれからずっとそれが最重要というわけではないと思いますし、事業フェーズが変わればHR側に求められることも変わってきます。今まさにその風を感じていたりもするんですが、経営に最大限貢献できるHRを引き続き継続していきたいですね。
ちなみにボードメンバーとの日々の会話や事業状況の把握していることが前提でもあるのでその点は意識したい所でもあります。
組織全体を変えるのは時間がかかる
ここからは少し各論のお話になります。
HR的な観点で組織全体が変わったなと感じたのは2016年10月に入社後毎月のように退職者が出ていた中で、2019年4月に初めて退職者がゼロになった時です。チーム内では「退職者漏れてない?」と確認をするほどの衝撃でしたw
前述の通り離職率40%超が2年近く続いた状況を考えると感慨深いものもありましたし、それまでの道のりを考えると組織全体を変えていくには時間も労力もかかることを痛感。これまで短期で転職を繰り返していたので気付かなかった点ではありましたが、逆に正しくコミットすれば組織が変わることにも気付かされました。
もし組織を変えたいのであれば短期的な視点ではなく、中長期的な視点は必須だと個人的には思います(あと覚悟!)。そんなに簡単に組織は変わらないです。
何も起きない組織はない
転職することを否定しない前提で書いていますが、どんな組織でも何かしらのネガティブなことは確実に起こります。大変なことが起こると環境を変えたくなる気持ちはわからなくもないのですが、転職先で想定していなかった問題が起こることは転職あるあるです。
なので慣れ親しみ、心理的安全性の高い中で続けた方が良いケースもあるわけで、特に心理的安全性の高さはチャレンジには必要不可欠ですが形成するまでにかなり時間がかかります。転職をするとゼロリセットされますしね。
転職は慎重に、ということですね(私が言うと説得力ないですがw)
もがいたストーリーが強い共感を産みだす
最近面談や面接をしていて、「選考官の自社でのストーリーを会社選びのポイントの一つにする方が増えてきているのでは?」と思うことがあります。と言うのもグッドパッチは組織崩壊の話もあるので「なぜ辞めなかったんですか?」という質問が最も多いのですが、私自身の話は決してポジティブな話ではないにも関わらずアトラクトの一環になる時もあるからです。
個人的にはこれは採用における重要な要素の一つになると思っていまして、社員一人一人が自分自身の体験を言語化し、それを伝えられる会社が採用強者になっていくのではないかと感じています。
体験が濃ければ濃いほどその効果は高まりますが、これは短期間で得ることは決して出来ません。私の場合も苦しい時を乗り越えた4年間があったからこそ価値のあるものになっているだけで、もし途中で辞めていれば正直あまり価値のないものになっていたでしょう。
苦しい状況で組織に残ることは肉体的にも精神的にも楽ではありません。ただ、それを乗り越えた時に得られるストーリーは自分自身だけが持つ強みになることは間違いありません。
終わりに
結構長くなりましたが、ジョブホッパーだった私がグッドパッチで体験して気付いたことや得たことを心の思うままに書かせて頂きました。
個人的にはジョブホッパーだからこそ気づけた視点ではないかなと思っていますし、グッドパッチで得た視点は自分のHR人生にとってもの凄くプラスになっていることを改めて感じました。
これを読まれているHRの方、もしくはそうじゃない方も、今の会社に残ることでも得られるものもあるんだなあと感じていただけると本望です。
何か聞いてみたいことがあれば遠慮なくメッセージをしてください!
お待ちしております!
おまけ
ちょっとしたおまけです。
グッドパッチに長く在籍して得られたものの一つに高校の同級生(とあるチャットの会社で経理MGRやってます)と共に時差はあるもののIPOを体験できたことがあります。
160人しか同級生がいない中でこんなことが実現するとは思ってもいませんでしたし、彼に今の会社を紹介したのが自分だったりもするので、人生どこでどうなるかは本当にわからないものです。。
こんな機会一生ないだろうから残って本当によかった!
(見た目は怖いですがいいやつですw)
本当の終わり!
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