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002|初夏を感じる束の間の晴れの月曜日

久々の晴天で今日の最高気温は30度近くになるらしい。
いつものラジオでも慣れていない時期の暑さに気をつけるよう、30分に1度くらい注意されているが、
先日まで石垣島に居たこともあり、すでに今年の暑さには慣れている優越感で月曜日の朝を過ごしていた。

あぁ。ラジオって優しいなぁ。
天気もニュースも小ネタもそのタイミングに応じて教えてくれる。
その日に合わせて絶妙に懐かしい曲を選曲してくれたり、
(さすがのSpotifyもこの絶妙な匙加減ではレコメンドしてくれない。)
「ここからの空は晴れ間が見えてきました」みたいな狭い地域だから出来るラジオDJのトークも好き。
ひとりで家で仕事をしていると、リスナーからのお便りに、職場で周りの同僚が雑談しているのを何気なく聞いているような錯覚に陥るのも結構好き。

夕方、いつものバールには感じのいいお母さまが少し離れた席に二人、
軽い会話とカフェとアルコールで楽しい1日を締めくくっているようにも見受けられた。
夕食までに帰るのだろうか。時間を見てお会計と共に始まるバールマンとの会話。
どうやら始まったばかりのモディリアーニ展の帰りだったらしく、展示の仕方が素晴らしかったと。

そこから藍色と漆黒のこだわりの話に広げたバールマンの会話の幅に目を?耳を?見張りながらも、
実はその美術館の1つ前の展示で自分も同様に、展示・提案の切り口が新しく作品がとても新鮮に映ったことを思い出して、おんなじだ。と、一人、カウンターでエスプレッソに砂糖を半分入れながら嬉しくなった。

アートで心が動くとは何なのかを知りたくて展示に行ってみたりはしているが、年代別の展示を見ながら結局は、
この頃はこれが流行ってたのか〜
この次はこの手法がチャレンジされたのか〜
と、美術館か博物館かわからない感覚で時間を過ごしている自分にも、
あの美術館だけは全体を俯瞰して、一つの作品がone of themであることを意識させられる構成だった。

わざわざその話をするわけでもなく、小さく「もう始まったんですね」くらいを聞こえるか聞こえないかくらいで発することで、聞いていても聞いていなくてもいい空間での会話に対して、聞いていますよと意思表示をすることにした。
「すごく良かったですよ」と帰り際におっしゃるお二人に軽く会釈をして、エスプレッソを一口。

モディリアーニ展も面白そうですね。
そのままバールマンとモディリアーニ展に想いを馳せながら、また少しずつ会話は広がっていく。

その空間に居れば、バールマンを介した会話は何気なく耳にしていいと言われているようで、
それはまるでリスナーとラジオDJのよう。
その時々のリアルタイムで生まれる会話を、ここでエスプレッソを飲みながら聴くのが結構好き。

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