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句を読む―しずかないきもの

声なくずっとかまきりは声なくずっと

『自生地』福田若之

かまきりの動きはパントマイムに似ている。
かまを振り上げる姿に音は感じられない。すっ、でも、しゅっ、でもない。無音で動き、捕食する。静かな生き物だ。
幼い頃に読んだ、はなかまきりの絵本を思い出す。ランの花になるのを夢見たかまきりは、一億年を眠った(というような話だったように思う)。静かにずっと、眠っていた。

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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