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句を読む(鑑賞)

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現代俳句から気に入った句の鑑賞文をぽつぽつ書いています。しっかりした感想文というより、ひとりごとや連想ゲームのような感じ。
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#秋

句を読む―気になる存在、に躍り出る

なんてチャーミングな句…! 例えば、連休明けのオフィス。少し空いた時間に、同僚たちと連休…

和代
1年前
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句を読む―よそのお家は

秋はじめ、うちにはあるだろうか。 オーソドックスに夕飯にサンマが並ぶと「秋が来たなぁ」と…

和代
1年前
17

句を読む―誇り高くあれ

ロシアの民芸品、マトリョーシカ。 入れ子構造になった可愛らしい人形は、箱根細工の七福神人…

和代
1年前
13

句を読む―月が出た出た、月が出た

「月」は秋の季語らしい。十五夜のように、秋は月が特に輝いて見える季節だからだろう。季語と…

和代
1年前
7

句を読む―胡桃割り人形の記憶

小さい頃、家に「くるみ割り人形」の絵本があった。角が丸みを帯びた正方形の、アニメのような…

和代
1年前
6

句を読む―まだ、たどり着かない

この句は「林檎」じゃないと成り立たないなぁ、と思う。みかんやバナナ、あけびなどではだめだ…

和代
1年前
3

句を読む―たおやかな字形

なんとなく、セクシー。 たぶん「ほんたう」という、ひらがなの響きから感じられるたおやかさに起因している。これが「本当」と漢字表記だったら全然違う。 ひらがなは「女文字」というけれど、字形のなめらかさからして女性の曲線が感じられる(昔は女性だけが使う字だったから「女文字」、という由来はわかっているのですが)。 「月の宴」とは秋のお月見のこと。今はSNSやマッチングアプリなどで知り合い、ハンドルネームだけしか知らないまま会うこともあるだろう。オフ会で月の宴を催すのも、また一興なの

句を読む―時計の音と「変ロ短調」

音楽の素養はあまりないけれど、「変ロ短調」がメランコリックなメロディだろうというのは分か…

和代
1年前
2

句を読む―消えてしまいけり

つまり、きのこを食べた、という句だ。だけどこの異様さ。 食べたものはお腹に消える。それだ…

和代
1年前
4

句を読む―命を懸けて恋う

馬に変身する。流れ星を拾う。 描かれている行為はファンタジックで、キュートな願望だ。でも…

和代
1年前
3

句を読む―完全な構造

菊の丸さを思う。中芯から放射状に花びらがひらいているさまは、確かに完全だな、と思う。そろ…

和代
1年前
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