女性の「血のめぐり」

ひとは発育がひととおり済むとカラダが落ち着きます。
安定した丈夫なカラダを維持し続けることで、健康を維持します。

ここでユニークなのは、男性と女性の仕組みの違い。

男性はカラダが落ち着くと、よいバランスを常にキープしようとします。
女性のカラダは妊娠出産という可能性を秘めているため、男性とは異なりアンバランスな状態で過ごします。
バランスを崩しているわけではなく、呼吸のリズムのように一定のゆらぎのなかで過ごします。

一か月の間にゆるみと引き締まりの幅を持つことで、妊娠した時に胎児を保つカラダへシフトしやすいように、しなやかなゆらぎを持ち続けて過ごします。

男性は安定した仕組みを維持し続けるので、体内でバランスを大きく崩すことはありません。
女性はつねにゆらぎを持つことで、ストレスや過労、不摂生などがあると、とたんに「ゆらぎの幅」をこえてバランスを崩します。
カラダを養う「血のめぐり」が安定感を失うと、肌や月経のトラブルがおこります。「血のめぐり」を根本から支える骨盤の安定感が失われるため、最初に便秘としてサインがあらわれます。

カラダと健康を支える骨盤の状態と「血のめぐり」とは、密接な関係があります。
骨盤は月経周期と連動して、しなやかな拡縮運動の一定のゆらぎを持ちます。このしなやかな「骨盤力」を持ちあわせる女性は、お肌をはじめカラダを丈夫に美しく保つ力に長けています。
そんな骨盤力の目安は、毎日の便通と毎月の月経の状態です。骨盤力が落ち始めると痔疾患に悩まされることもあります。
※妊娠中の過労時や出産後の疲労時に、痔疾患に悩まされやすいのも、こうした骨盤力が一時的に弱くなるからです。

骨盤力を養うのは筋トレや栄養補給ではありません。
しなやかでリズミカルな骨盤の拡縮運動をうながすのは、丈夫で滞りのない「血のめぐり」。

東洋医学ではさまざまな人の患いを分類してきました。
とくに、女性や小児、シニアのかたのカラダは、一般成人のカラダとはまた別なしくみを備えているため、古典では「婦人門」「小児門」「老人門」などと分けて対処法を別に設けました。
とくに「婦人門」では、女性の月経や妊娠、出産、産後などの「血のめぐり」に関する記載や対処法がゆたかです。

女性特有のゆらぎのあるカラダは、さまざまな出来事に対して柔軟に対処できるココロとカラダを備えている証です。
※環境変化や状況の変化、育児に対処できるのも、こうした女性ならではのしなやかさがあるからですね。

毎日のお通じや毎月の月経に不安を感じたら、骨盤力と「血のめぐり」に問題がないかチェックしてみましょう。
毎日のお肌のコンディションでも、自分の「血のめぐり」の状態を知ることができます。

電車でお化粧する方を見受けることがありますが、女性の「血のめぐり」を察するよい機会、とかってに思いこんでいるこの頃。
ゆらぎのない男性のカラダである僕は、「血のめぐり」にトラブルがあるとゆらぐことなく、一直線にカラダは不調へとすすみます。
男性は男性なりのケアが必要な「血のめぐり」。

ぼくはこまめに「血のめぐり」ケアをするために、お灸を楽しむ毎日です。

博心堂鍼灸院「女性のための骨盤力と血のめぐりのお灸」

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