「天気痛」「気象病」を東洋医学してみる

今年に入ってから「天気痛」なんていう言葉を耳にする機会がふえてきました。

日本では「天気痛」を専門に扱った科があるようで、「天気痛外来」というのが国内では唯一「愛知医科大学」にあるそうです。
そもそも「天気痛」という用語は「愛知医科大学医学部学際的痛みセンター」の佐藤純というお医者さんがいいはじめたそうです。


【「天気痛」「気象病」の症状】

天気の変わり目に不調を訴えることがあります。
「天気痛」や「気象病」といわれるものですね。

・ズキズキする頭痛
急な気温の上昇によるのぼせや低気圧の影響でこわばりやすい頭部の血流が悪くなるので、拍動感をともなう頭痛を感じます。

・足腰やよく使う場所の関節痛
低気圧の影響で関節の内圧がたかくなり、節々が腫れやすくなる時、もともと負担のかかっている関節に痛み症状が出やすくなります。

・腰痛や膝の痛み
急な冷え込みによる血流の低下は、腰やひざなどの大きな関節では影響が出やすいです。冬場の寒さや雪降りだけでなく、冷房に当たり続けることでも症状がでやすいです。
寒さに湿度が加わると、さらに症状は出やすくなります。湿気があるだけで肌の表面が興奮して硬くなるため、皮下の血流は慢性的に悪くなりむくみをともないます。

・肩こりや首、眼の奥の痛み
気圧の変化やよどんだ空気の中で過ごすことで、呼吸にストレスがかかります。息苦しさやイライラするのはこうした上半身や眼精疲労などによる慢性的な緊張があるためです。
呼吸が浅くなり慢性的な緊張がかさなると、肩首や眼への血流は滞りやすくなります。息苦しさやイライラ感があるとこうした症状はとても気になります。
光のさしこまない曇りの日や雨の降り始めなど、気分的に憂鬱に感じる時、おこりやすいです。

・フラフラするめまいや耳鳴り
急な気圧や気温の変化で発汗などによる体温調整がうまくいかないと、目や耳でかるいむくみ症状があらわれます。首から上と下の血流に差が生じると、脳が混乱してふらつき症状を現しやすくなります。

・歯茎の腫れや痛み
気圧の影響で出やすい症状です。とくに疲労や風邪のひき始めなど体調不良があると、口腔内の粘膜の抵抗力が落ちるので、歯茎の腫れや出血はおこりやすいです。

・吐き気や胃もたれ
もともと胃弱であったり、過食傾向で胃もたれがあると、曇り空で湿度があったり気圧がさがると胃袋がふくらみやすく血行が悪くなるため、胃もたれや吐き気症状が出やすくなります。

・古傷の痛み、ぶりかえし
もともと傷をしたところは本来でない置き換わった組織なので、正常な血流ではありません。低気圧や急な冷えがあるとすぐに血行不良を起こして痛み症状がぶりかえしやすいです。

・無気力、気持ちがたかまらない、落ち込みやすい
曇り空による湿度の上昇や気圧の変化で呼吸が浅くなります。息苦しさで息をしっかり吸い込めなくなると、カラダや精神は興奮しにくくなります。胸がつぶれるように呼吸が浅くなるのが落ち込みの原因です。

・ボーっとする、うっかりミスを連発する、集中できない
雨降りや曇り空、湿度を伴う気温の低下(うすら寒い)ときには、体表の血流がすぐにわるくなります。
感覚や外から入ってくる情報に対して、体表のセンサーが正常に働かないため、手元が狂ったり、足元がおぼつかなかったり、視野が狭くなり焦点が定まらないために集中力が低下します。

※上記の症状はテレビやネット上のものを参考に書きだしてみました。
気象条件やカラダの変化に関しては、鍼灸師である僕の私見です。


天候の変化が原因でおこるこうした体調不良を「気象病」とか「天気痛」というそうです。

なんでも日本人には1000万人ほどの患者さんがいらっしゃって、8割が女性とのこと。

過敏な人は自覚症状が出やすいでしょうし、苦しまれている方も大勢いらっしゃると思いますが、気がつかないでやり過ごしている人も多そうですね。
とくに体力に自信のある方や忙しい方などは、ちょっとつらくても「気のせい」にしてがんばっちゃいますからねぇ。


【「天気痛」の東洋医学的視点からの対策】

テレビなどでは「耳のマッサージ」や「手首のツボ(内関(ないかん)のツボ)」をおさえるなど紹介しています。

気温の低下や湿度、低気圧であれば、耳や鼻をもんであげると末端の血流が良くなり、「天気痛」の症状が楽になります。
カラダに冷えを感じる時には効果的ですね。

「手首の内関のツボ」は押したりもんだりするよりも、お灸をする方がかなっています。
「内関のツボ」はのぼせ状態の時に効果的ですから、頭や手の火照りを感じる時に用いるとよさそうです。
「胃もたれ」をともなう不安やめまい、ふらつきのあるときに効果が期待できます。
※押したりもんだりするよりも、テニスなどのスポーツで用いる「リストバンド」を巻いておく方がよさそうですね。東洋医学的には。


東洋医学的には、環境の急な変化を感じないで済むような対処をおススメします。
・いつもジャケットを持ちあるく
こまめな体温調整に便利です。

・襟元には常にストール
体温調整のセンサーが襟元にあります。空気の変化に過敏にカラダが反応しないようにストールで予防します。

・外出時の帽子
急な雨降りや強い紫外線はカラダに強いストレスとなります。外出するときはまず帽子をかぶってでかけます。
乗り物などで冷房の風が直接あたるのも防いでくれるので重宝です。

・サングラスやゴーグル
嫌なものが視界に飛び込んでこないように。強い風、紫外線、ほこり、嫌な景色、嫌いな相手(?)などなど。

・かさつく肌はこまめに保湿
顔やまぶた、手の甲など、外気にさらされるところは抵抗力が落ちていて、大気の変化に過剰に反応しやすいです。
化粧水や乳液は必需品です。

・寝る時はひとまず布団でカラダをしっかりくるんで眠る。(夏場はタオルケットでもよいです。不安がるカラダを覆うだけで効果的。)
寝入りばなだけでも、一度しっかりカラダを包み込むと、一日の気象の影響による肌ストレスを解消することができます。
毎晩の入浴もおススメです。バスタイムを楽しんでリラクゼーションの時間をしっかりとりましょう。

・痛くなりやすいところはサポーター
古傷や過労して痛めている足腰などは、環境の変化から守るためにサポーターなどで覆って過ごすとよいです。

・適度な運動
痛みがなければ日頃から軽く汗ばむ程度の運動習慣を持つことで、全身の血流はよくなり平衡感覚も鍛えられます。
体内の循環をよくして軽く汗をかけるようになると自律神経のバランスも整いやすくなります。

・寝不足注意
毎日天気の変動にさらされるカラダは、つねに適応しようとしています。
異常気象の時などは、意外と一日フツーに過ごしていても疲れがたまっています。
毎晩のしっかり睡眠は重要な「天気痛」対策です。

以上、今朝のテレビを見て思いついたことを掲載してみました。
このあたりのネタ、メルマガ225号でも取り上げたいと思います。
お楽しみにぃ。

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