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こども、アート、自然を大切にする理由

こんにちは。
NPO法人 NAGOMI MIND 代表&編集長の塚田ひろみです。

このNPOというチームで活動を始める前から、
自然・子ども・アート
が私にとって大切なキーワードでした。

でも、それがどうしてなのか?どんなふうに大切なのか?言葉にして説明するにはなかなか至らないでいました。

そんなときに、友人に教えてもらった養老孟司さんのインタビュー記事。それを目にしたときに、なぜ私がいままで、こどもと、アート(現代アート)と、自然を大切にしてきたのか、答えを見つけたような気がしました。

都市化と子ども

以下、養老孟司さんの記事より引用します。

都市化とは人間が頭の中で考えたことを外に出して街をつくるということ。「脳化」と言い換えてもいい。僕はいつも「ああすれば、こうなる」というのですが、そういう考えでつくられているのが都市である、ということです。

たとえば、都市では切符を買って電車に乗れば、目的地に着くでしょう。これも、「ああすれば、こうなる」の一例。都市はそのように作られている。しかし、自然の中ではそうはいきません。森の中で迷ってしまえば、どこにたどり着くかわからないのです。

ある国なり地域なりが都市化すると、多くの場合、少子化が起こります。先進国の都市ではどこもかしこも出生率が下がって、少子化が起こっている。なぜかといえば、都市は頭でつくられているのに対して、子どもは自然だからです。ひとりでに生まれてきて、親の思うようになりません。

だから、都市では子どもを排除することが暗黙の了解になっているのです。

養老孟司「『自分の人生は自分のもの』という考え方からは、生きる意味なんて出てこない」https://president.jp/articles/-/55709

「都市化」という現象について。
それは先日、横須賀美術館で鑑賞したミロコマチコさんの展示でも感じていました。

人間がときに用いる思考力や、状況を事前に予測して対処する能力のようなもの。それが、山形県の大自然の中に身を投じたときに、まったく無意味であることを悟った、と書かれていたキャプション。

それを読んだとき、都市とは、自然の力の及ぶ範囲を制限するもの。そのために、人間の方がより強いコントロール力を持つようにデザインされたものなのだと感じました。

予定調和を壊していく楽しさ

「ああすれば、こうなる」と分かってしまう。
全て思った答えしかかえってこない。

ということは、便利で快適な反面、予想もしなかったようなおもしろさ、心が踊るようなことに出会うことが無いということでもあります。

例えば、何か贈り物をいただいたとき、「嬉しい」と感じるのは、自分の期待通りだったからというよりも、自分の想像していたことを上回るようなことをしてもらった、と感じるからではないでしょうか。

子どもたちと過ごしていて、おもしろいと感じるのも、大人が想像していたことをはるかに飛び越えて、文字通り、想像もできなかったような事を考え、行動するから。という話をよく聴きます。

だから、予定調和を壊すことの重要性は、人生の中に意外性・おもしろさ・ワクワクしながら生きていくことをもたらしてくれるということにあるのだと思います。

子どもも、自然も、現代アートも、「なんだか、よくわからない」「予想が出来ない」「自分の思う通りにならない」

そうした存在だからこそ、大切にしたいと思う反面、人によっては、受け入れ方がわからなかったり、苦手意識を持つのは、都会的な人なのかもしれません。

予定調和ではないものに向き合うことは、自分の器を広げてくれたり、出会う体験を変えてくれたり、勿論、とてもいい側面があるものです。

NAGOMI MIND の活動を通して、少しずつ伝えていけたらと思っていますので、楽しみにしていて下さい(^^)

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