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がん検診は不要不急の外出ではありません!

大人のみなさ~ん、がん検診に行ってますか?
私は毎年しっかり、市のがん検診は受けていました(子宮がんと乳がんは二年に一度の受診でOK)。
しかし、このコロナ襲来で検診をサボってしまいました。
以前のがん検診は会場に行けば受けられたのですが、今や三密回避のため完全予約制になりました。
ああ、予約段階からめんどくせえな……
「がんなんて自分には無縁な事よ」と思っている方は、私だけじゃないはず。

地元の総合病院で10月より、全身がんドック「DWIBS」が県内初導入されるとの情報を入手しました。

コロナワクチンを打った病院で偶然にもらったチラシ。

ちょっとお高めだけど、コロナで旅行も行けないし、結婚記念月だし、夫婦共に長生きしましょうねの意味を込めて受けてきました。
それが10月18日。
結果が郵送されるのは一か月後とのことでしたが、10日もしないうちにデータ同封の封書が送られてきました。
「がんなんて自分には無縁な事よ」
そんな私にびんた。
子宮と腎臓になんかありました(涙目)。

先生曰く、右腎臓にでべそみたいにくっついているのが腫瘍。

DWIBSを受けた地元の病院で二次検診を受け、紹介状を書いてもらった病院に行ってきました。

婦人科と泌尿器科は受付が同じだったので、広い病院内をウロウロすることなく済みました。
待合室のソファーに座っていると、近くの小児科から子どもの泣き声が聞こえてくるのが切なかった。

「土田さーん、中へどうぞ」
ようやく名前が呼ばれた。
医者「現在はどなたと一緒に住まわれていますか?」
「私と二人です」
(柴犬も二匹います、と思わず言いそうになる。自己紹介かよ)
医者「お子さんは?」
「息子が二人。○○区と○○市でそれぞれ一人暮らしをしています」
医者「独立されている、ということでよろしいでしょうか」
(下の子はすねっかじりの大学生なので、独立なんて立派なものじゃないです。えへへ)
「はい」
夫がテキパキと答えてくれる。
テンパっている私は、脳内でとんちんかんな事言ってますが。
医者「それでは、キーパーソンはご主人ということでよろしいでしょうか」
ここで夫の思考が止まる。
キーパーソンってどういうこと?
「はい」
風邪の症状でかかる町医者の問診と内容が違う。
なんで家族構成なんか聞かれるのか。
私に万が一ってことがあった時の連絡手段?
現実から目を背けたい私に、初めて現状を突き付けられた瞬間です。

再び待合室にて、無口な夫。
朝食はシリアルしか食べていなかった(喉を通らなかった)ので、11時ごろお腹がなった。
「お腹すいたね~」
「ええっ、そう?」
のんきな私に夫が苦笑いした。
胸がいっぱいで食欲がわかないんだってさ。
思い出した。
夫は今と同じように、寝込んでいる幼い子の側で「胸がいっぱいだ」と言って泣きそうな顔をしていた。

***

「そういえば俺のばあちゃん、腎臓一つ取っていたかもしれない」
腎臓というワードに私の耳がピクリと傾いた。
一つ座席を空けたおとなりさんの会話をそっと盗み聞き。
「小さい時だったからよく覚えていなかったけど、確かにそうだわ。問診表に書き忘れた」
そうね、血族にがんの人がいたかどうか記入する欄があったね。
幼いころって、じぃばぁが何の病気かなんて理解できない事ってあるよね。
うんうんと心でうなずく私。
「手術なんか怖くないけどさ、入院がイヤなんだよ」
あたしゃ、手術が怖いよ。
なぜに入院がイヤなのかな?
「だってさ、一週間入院したとして、その間の仕事がなくなるわけじゃないんだよ。退院した後の仕事の負担を考えると憂鬱になるよ」
だよね、一家の大黒柱は大変だ。
早々に会社を休職しようとしている私が申し訳ない。

先にそちらの方が検査室に呼ばれ、私の前を通りすぎる。
背の高い頑強そうな男性と、そっと寄り添う小柄な奥様。
私にとっては赤の他人だけど、屈強な男性がリアルに弱音を吐いているのを聞くと、同調して切なくなる。
奥様だってどう励ましていいかわからず、無口になり、ただうなずいて聞いていたんだろうな。

***

また私のお腹がグウとなった。
「ねえ、帰りにラーメン食べて帰ろうよ」
病院というものは待ち時間が長い。

本日は子宮がん検診をして、右腰のエコーを撮った。
ああ、ここに腫瘍があるんだなとわかるほど、執拗に(先生スミマセン)グリグリ撮られた。
今も痛みます。
ここにあるんだと分かった途端、腰の異物に違和感を感じ出しました。
次回は造影剤のCTを取るそうです。
今後の治療だとかの相談があるのかと思いきや、そこまでたどり着けませんでした。
道のりはまだ長い。

帰りに念願の濃厚味噌ラーメンを食べました。
帰路の車中、グリグリされた腰の辺りが重だるくて座っているのもしんどくて、助手席のシートを倒して寝てました(危険なのでマネしないように)。
平気なつもりでしたが、家に着いたらドッと疲れが出たのか、がっつり夕寝を決め込む。

まだ当の本人は自らの状況が嘘のような気がしてなりません。
実は誤診でしたって言われても、今なら笑って許してあげます(謎の上から目線)。
DWIBSの結果が来てからずいぶん経ちますが、体調はちっとも変わりません。
たまたまもらったチラシ、興味本位で受けたDWIBSに命が救われました。
体調がおかしいぞと感じたら、迷わず病院に行きましょう。
お医者さんに行くのは、不要不急の外出ではありません。

~2021.11.11~


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