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しあわせはコンビニにある

私がコンビニでよく買うのは、玉子サンドとスムージーです。
レジ袋は毎回買います。
レジ袋有料化になったばかりの頃はマイバッグを持って行きましたが、なんだか習慣づかなくて「あ、忘れた。レジ袋ください」ってなってた。
お店によって、マイバッグに商品を入れるのが店員さんなのか自分なのか分かりづらく、めんどくさくて結局「レジ袋ください」ってなってる。

仕事帰りのコンビニA店にて。
いつものように「レジ袋ください」って言った。
バイト君の胸元のネームプレートを見ると、見覚えのある苗字だった。
視線を上げ顔を見ると、そのバイト君は次男のお友だちY君だった。
小学生の頃とはまるで見間違えるほど、すっかり大人っぽくなっていた。
「Y君だよね」
キョトンと私の顔を見たので、ちょっとマスクをずらし「土田次男のお母さんだよ」って言ったら、「ああ! お久しぶりッス」だって。
「元気にしてた?」なんて、おしゃべりしたくてムズムズしたけど、Y君はお仕事中だし私の後ろにはお客さんが並んでいるし、ジッとお口チャックしてガマンしてました。
帰り際に「がんばってね」とだけ声をかけてきました。

***

近所のアパートに住むOさんも、コンビニB店で働いている。
やはりお仕事中であれば「こんにちは」とか「お疲れ様です」とか、軽いあいさつだけになる。
町中で会えば30分も立ち話しをするのにね。
「私、67歳になったんよ」
「ええ⁉ もっと若いのかと思った」
「コンビニで若い人と仕事してるからねぇ。良い刺激になってるのかも」
こざっぱりして姿勢もピンとして若々しい人だ。

***

街へ買い物に行く途中、次男と馴染みのコンビニC店に立ち寄って飲み物を買った。
ここのコンビニは、店長も店員さんも快活な笑顔で接客してくれるから好き。
家からちょっと遠いけど、わざわざ足を伸ばして買い物によく行く。
この朗らかな雰囲気なら、あわよくば一緒に働きたいくらいだ。

「息子さん、大きくなったね」
レジをしてくれた店長が声をかけてきた。
後ろにお客さん並んでいないから、おしゃべりOK?
ちょっとくらいならいいよね。
「いくつになったの? 今高校生?」と店長。
「いえ、大学生になりました」
「早いねぇ。あんなに小さかったのに」
「あはは、こちらのコンビニに育ててもらったようなもんです」
街に遊びに行く時、唐揚げだのおにぎりだの小腹を満たすのによく立ち寄ったコンビニだった。
いつも食料品たんまり買い込んで、手抜き母さんで恥ずかしい。

「お母さん、ここの店長と友だち?」
買い物を終えて、車に乗り込んだ時に次男に聞かれた。
「え、違うよ。なんで?」
「ずいぶん仲良さそうにしゃべっていたからさ」
「しゃべったの今日が初めてだよ」
「うそ、そうなん!?」
十年以上前から通っているコンビニだからさ、話さずとも昔からの知り合いみたいな感覚。
話しかけられて、うれし恥ずかし。

***

旅行先でコンビニを利用すると感じることだけど、店内の雰囲気や陳列棚の商品に地域差は感じられない。
地元で買い物をしているかと錯覚するほど。
でもね、なーんとなく店員さんの雰囲気は店によって違う。
接客マニュアルがあるからこそ、ちょっと違う対応されると「あれ?」ってなる。

トイレを拝借ついでにコーヒーを買った、初めて訪れるコンビニにて。
「今日はラッキーなことがありますよ」
女性店員さんがお釣りを渡す時にこう言ってきた。
突然のことで、私の頭の中は疑問符でいっぱいになった。
店員さんが私の手のひらのお釣りを指さすので、見てみると今年製造されたピカピカの五円玉があった。
「わあ、ホントだ。うれしい!」
店員さんと顔を見合わせて笑った。
こんなやり取り一つで気持ちが最高に上がる。
五円玉一つで幸せになれる、お得な性格です。

今もその五円玉は、幸運のお守りとして取っておいてあります。

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