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エッセイ集

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#エッセイ

長男の嫁ですが娘です

毎日暑い(熱い)です。 いつもならお盆を過ぎる頃には秋の気配を感じるものですが、今年は全くもって気温は下がりませんね。 週間予報を見ても気温は下がるどころかグングン上がってきてます。 どうした、日本列島。 人と言うのは太陽の光に当たらないと鬱になるらしいですが、ホンマに実感している今年の夏。 カーテンで日差しを遮り部屋を暗くしないとクーラーの効きが悪い。 日が沈んでから犬の散歩や庭の水撒きをしてます。 気持ちがどよーんと沈みませんか? お盆は長男のお嫁ちゃんのくーちゃんと

人生時計

日本人女性の平均寿命(2022)は87.57歳だそうです。 人生を一日に例えます。 生まれた瞬間は日付の変わった0:00。 1歳の誕生日を迎える頃は0:16。 ボーっとしていたらあっという間ね。 23:59:59に人生を終えます。 今の私は何時なのだろう。 こんな簡単な計算も手間取るようになったものだよ。 14:23。 これが私の人生の時刻だった。 意外や意外、もうひと遊び出来そうです。 8/13に長男夫婦が遊びに来てくれました。 3月に入籍し、結婚式はまだです。 お嫁ち

運動音痴な私がダンス部に入部しました(Spotifyプレイリストもあるよ💃)

運動音痴です、私。 団体競技なんて最悪です。 チームの足を引っ張るんじゃないかと、プレッシャーで体が固まり余計に動けなくなる。 小学6年生、男女混合バスケをした時。 負けず嫌いのガキ大将が試合中、ヘマをした私に蹴りを入れてきたのは最悪の思い出です。 軽くトラウマになってます。 なんか思い出したら腹立ってきた(笑)。 水泳は全くもってダメ。 これまた小学6年生の時、水泳の授業は能力別にA・B・Cチームに分けられていました。 言うまでもなく私はCチームでした。 もう泳ぐという

食欲の秋、なに食べたい?

秋はいいね。 ベランダでお布団を干すと、夜寝る時にはポカポカして気持ちいい。 シーツなんか大量に洗っちゃってさ、取り込む時には柔軟剤の甘い香りに包まれて幸せだよ。 部屋中の窓を開けて風を入れる。 窓から見上げた空は高くて、どこにお出かけしようかなって楽しくなる。 旬のお野菜とか果物とか、新鮮な物が食べられるのは今だけだよ。 栗おこわが食べたい。 そう、年に一度だけだから毎年「栗の渋皮むきってどうするんだっけ」って悩んじゃう。 栗ってポクポク喉につっかえるから苦手(←好きか嫌

犬の散歩をすると、よく声をかけられます

台風16号の影響で1日中雨模様です。 雨上がりの時間を見つけて犬の散歩に出かけました。 いつもの散歩時間より早い夕方4時、通りを歩く人も多いです。 下校途中の小学生の女の子が「柴犬が二匹もいる。かわいい!」って反応してくれました。 「こんにちは」と私が返すと「こんにちは。触っていいですか?」と問うてきた。 「どうぞ」 やんちゃ盛りのこむぎ&なぎ。 興奮すると跳びかかって甘えるので、リードを短く持ち直します。 「犬は耳の後ろが気持ちいいんだよ」と、一緒にいたお友だちにそう教え

しあわせはコンビニにある

私がコンビニでよく買うのは、玉子サンドとスムージーです。 レジ袋は毎回買います。 レジ袋有料化になったばかりの頃はマイバッグを持って行きましたが、なんだか習慣づかなくて「あ、忘れた。レジ袋ください」ってなってた。 お店によって、マイバッグに商品を入れるのが店員さんなのか自分なのか分かりづらく、めんどくさくて結局「レジ袋ください」ってなってる。 仕事帰りのコンビニA店にて。 いつものように「レジ袋ください」って言った。 バイト君の胸元のネームプレートを見ると、見覚えのある苗字

それでも君らの幸せを願うんだよ

母方の実家は田舎の農家で、おじいちゃんは典型的な頑固じじいだった。 親戚の集まりでじぃばぁの家に行くと、たいがい不機嫌な顔をしている。 久しぶりにいとこが大勢集まれば自ずとテンションがあがる。 そんな孫らを、鬼の形相で「うるさい!」と怒鳴り蹴散らしていく。 いつも仏頂面で、かわいがってもらった記憶なんて一つもない頑固じじいだった。 母の兄弟は、男が三人、女が四人の七人兄弟だ。 四姉妹の名前は全員カタカナだった。 おじいちゃん曰く「女の分際で名前に漢字なぞいらん。カタカナで充

先生からもらった言葉の宝物

小学校の時の恩師が亡くなった。 *** 先生の左胸のポケットには、いつも「わかば」が入っていた。 映画俳優のように目鼻立ちがはっきりして、体格も良く朗らかな先生だったので、生徒だけではなくお母さんたちからも人気があった。 私のお母さんは「デレデレして先生らしくない」とあまり好きではない風だったけれど、なぜか先生に「わかば」を1カートンプレゼント(?)したことがある。 贈った理由は分からない。 私が何か先生に特別お世話になったことがあったのか、その記憶すらない。 ***

過去へ誘う、懐かしい人からの電話

金曜の夜、私のスマホの着信が鳴った。 発信主は兄だった。 めったなことで連絡なんて取りあうことのない兄妹だったし、わざわざ夜に電話をくれるなんて緊急事態に違いない。 両親になにかあったのか? 胸騒ぎを覚えつつ、あわてて電話に出た。 「もしもし、お兄ちゃん? どうしたん?」 電話の向こう側はガヤガヤと賑やかしく、笑い声も聞こえる。 ああ、飲み会の最中なんね(注:コロナ禍以前の話です)。 ホッとした。 「夜遅くに悪いね、なごみ」 普段は無口で下戸の兄が、めずらしく上機嫌だ

初めての原稿料は1500円だった

作文が大の苦手だった。 書き出すのに、授業の最初の10分以上は悩む。 一向に筆が進まない。 やっとの思いで頭の中で内容を順序立て、乱雑に書きなぐる。 文字数稼ぎに、クドクドと説明じみたことを書いたりもした。 「なごみさんの作文は盛り上がりに欠けますね」って、小学校の担任の先生に言われた。 本人もそう感じているので、そう指摘されたところでなんとも思わなかった。 興味のない事柄を文章で表現するのが苦痛だと感じた学生時代だった。 *** 23歳の時だった。 私は小さな命を助

甘党ダーリンの憂い

「メロンソーダのお客様は……」 ウエイトレスさんはそう言いながらも、当然のようにわたしのほうへとメロンソーダを置こうとした。 「あ、それぼくのです」 わたしは烏龍茶。 彼がメロンソーダを頼んだのだった。 ウエイトレスさんの手が止まる。 「失礼しました」 去り際にウエイトレスさんが「ふっ」と笑ったのを、わたしたちは聞き逃さなかった。 *** 「ねえねえ、男がメロンソーダを頼むのって変?」と、彼がふくれている。 「ちょっとお子ちゃま……っぽい?」わたしはのど元に出か

紙パックのつぶやき「ありがとう」を聞こう

豆乳って大豆臭いイメージで、せいぜいスムージーの材料にするくらいだった。 豆乳オンリーで飲む勇気はちょっと、ねぇ。 「恋は雨上がりのように」の主人公、女子高生の橘あきらがバナナ豆乳を飲むシーンがとても印象的だった。 食いしん坊のうちは飛びついた。 なんかおいしそう。 でもね、気になってはいたけど手が出せなかった。 どうしても頭から離れず、うちが書いた小説「十年目のアンジー #10」の主人公、女子高生の妹尾杏樹にバナナ豆乳を飲ませた。 人に飲ませておいて自分は知らんぷりか

夫のシックスパック化計画

夫は変態です。 こう言うと語弊がありますが、肉体を過酷な状況にさらすのが好きな変態です。 気温が30度越えの真夏日になると、メラメラ燃えます。 アスファルトが焼ける暑い日に、わざわざランニングしに行きます。 ロードバイクに乗って7km離れた公園に行き、愛宕山の頂上まで2~3往復走って、また7kmロードバイクに乗って帰ってきます。 私は思います。 季節の良い春や秋に、爽やかな風を感じながらランニングすればいいのにと。 この冬、吹雪く時間帯だけランニングする真っ赤なスパッツ姿

父と片手鍋のラムスデン現象

私は子どもの頃、父が作ってくれるコーヒー牛乳が好きだった。 焦げ目のついたアルミの片手鍋に牛乳を注ぎ、風味付け程度のインスタントコーヒーとザラメをザクザク入れていく。 いつも吹きこぼれる手前まで煮立たせてしまい、慌ててガスコンロを切る父。 ふわふわに吹いた牛乳が冷めると、表面には薄い膜が張っていた。 膜が張るその現象を「ラムスデン現象」と言うんですって。 コップをフーフーすると、白い膜はゆらゆら波打つ。 熱々のコーヒー牛乳をすすると、くちびるに膜が張りつくのでペロリと舐め