狡くて 甘くて 愛おしい
こんにちは、こんばんは。
たけだです。
8月が過ぎていきました。
音もなく、秋の気配を背中に残して。
今月は、それはそれは長くて短い一ヶ月でした。
ぎゅっと愛おしくて 悔しくて 相も変わらず素直になれず。
しかし、たまらなく好きな人たちに囲まれて、
わたし という人生がようやっと身体に馴染んできたような、そんな 少女 のような一ヶ月。
何ひとつ忘れたくないな、取り零して大人になりたくないな。
一つ残らず掬いあげて綺麗に飾って。
いつか晩酌のツマミにするのです。
そのためにも、8月のまとめを書こう、書こうと思っておりまして。
重い腰をようやっと上げて、長い文章を書き出したわけでございます。
書いてみてびっくり。全然8月のまとめっぽくはありません。ふはっ、計画性の無さ万歳。
みなさまの8月はどのような一ヶ月だったのでしょうか。
ふわりと心躍る夏でしたでしょうか?
何かとひたむきに向き合った夏でしたでしょうか?
それとも 夏はこれからでしょうか?
色とりどりの夏をお過ごしのみなさま。
お茶菓子をご用意いただいて、甘い紅茶でも啜りながら。どうか肩の力を抜いて 今宵もお付き合いいただけましたら嬉しく思います。
昔から 夏 って狡い季節だなあと思っております。
これまでも書いたことがあったかな と思うのですが、夏はどの季節よりも あっという間に過ぎていき、残された思い出が何よりも美しいからです。
前回も書いていますね。
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夏は嫌い、だけど、眩しいと思う。
春にも 秋にも 冬にも 戻れない。
でも、 夏にはもっと戻れないような、そんな気がして仕方ない。
通り過ぎてしまうと ずっと遠くへ行ってしまう気がして 愛おしい。
鬱陶しくて 狡くて 甘くて 愛おしい
── そんなわたしの、世界一の夏。
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これです。わたしの夏のイメージはこれなんです。
それでね、聞いて欲しい話があるんです、実は。
こんなこと、滅多に思わないのに。
「ねこのような」で書きました、わたしの2年半の片想いを掻っ攫っていった先輩。
その先輩がね、このお盆にお店へ遊びに来てくださいました。ちなみに、わたしの大好きなもう一人の先輩もご一緒です。詳しくは「ねこのような」の本編をば。
猫のようなお二人と、彼らと仲の良い(ほぼ保護者の)先輩がもう一人。
合わせて三名様御来店。いらっしゃいませ。
久しぶりに見た先輩は相変わらず、猫のように気まぐれにわたしの心を揺さぶる人で。
いっその事、変わってくれていたら良かったのに、と思いました。
でもわたしはやっぱり狡いから、変わっていなくて良かった、と思っちゃう。
" わたしの知らない先輩 ”を見たら、きっとわたしはこの人のことを完全に諦めることができると思う。
けどね、だって。どの瞬間を切り取っても「ああ、そういえばこの人、こうだったなあ」と思わせてくるの。
いつまで経っても思い出になってくれない悪い猫ちゃんですよ、全く。
そんな悪い猫さまが予告もなくお店に現れて、思わず玄関に走って行っちゃうわたしも、もう手遅れな気がしてなりませんが。
浮き足立つ気持ちを抑えて働きました。というより、意識しないために夢中で働きました。
その日はお盆だからやっぱり忙しくて、「これはあんまり喋れないなあ」と安心半分、落胆半分。
なのにね。下手な演出なのか店長の嫌がらせなのか知りませんが、お店で流れているBGMがね、ふ、と次の曲に変わって。
初めて一緒に行ったカラオケで、先輩が歌っていた曲になったの。
歌詞、知ってます?
憧れて 諦めて また浮かべて繰り返して
何回も 僕の中で さよならしてまた出会って
もう戻れないんだよ、あの頃には とか ぎゅっと苦しい気持ちになって。
その瞬間だけは、きっとわたしがこの世界の主人公だったと思います。
人生にはBGMが必須ですよね、笑えねーー。と心の中で毒づいてみたり、動揺して焼肉ダレのことをドレッシングって言っちゃってお客さんに笑われたり。
もっ、何より一番恐れていたのは過去の記憶を思い出しちゃうことです。
頑張ってしまい込んでいたのに!
忘れようとしていたのに!
その瞬間、ぜんぶフラッシュバックしちゃって、
カラオケでわたしがあいみょんを歌ったのを聞いて「その曲、良いよね」って言ってくれたこととか。
実はその曲が、先輩と会った日の帰り道に絶対聴くようにしていた曲だったこととか。
その後に先輩が歌った曲が、あいみょんの「桜が降る夜は」で、「流石に狡いだろ!!」と情緒不安定になったこととか。
一度思い出してしまえば最後。
この空間に先輩がいることが嬉しくて、懐かしくて、同じくらい切なくて仕方なくなりました。
もっ、ほんとうに勘弁してください。
「痩せた?」とか「痩せたんじゃなくて、実習続きでやつれただけです」とか。
「ネイル可愛い」とか「バレちゃいました?」とか。
そんな他愛もない話をしながら、その日はみんなで店仕舞いをしました。先輩方も手伝ってくれて。
保護者先輩(?)が、わたしに「なんか可愛くなったよな」と言いました。
わたしは特に何も考えず、「えー、何ですかそれ」と空返事をしていました。
「いや、皆で話してたよ。男か?男ができたのかって」
── いやいや、できてないですよ。
「そしたら、アイツが『たけだちゃんはモテそうやからなあ』って言ってた。で、実際どうなん」
── (たけだ、ここで盛大にタレをぶちまける。一生の不覚) ああ!
「ちょ、動揺し過ぎやろ」
── してません。あと、好きな人にモテないと意味がありません。
そうだよ、意味ないんだよ!!!
何が『たけだちゃんはモテそうやからなあ』だ!
わたしは!あなたにモテたかったのに!!
まあ、そんなこんなでアルバイトとしては散々な一日でした。損失しか生み出しておりません。
店長、私じゃありません。悪いのは全部猫ちゃんなんです。お叱りはあちらへ。
帰り際、わたしのだいすきな" またね ”先輩が、わたしのネイルを褒めてくれました。同性に褒められるのってほんとうに嬉しいですよね。
そしたらね、例の先輩が「ほんまや、可愛い」と(あ、関西出身の人なんですけど)わたしの指を取って言いました。
これって何かの罪に問えませんか?
罪過ぎません?労災案件ですか??
ちょっと皆さん、一緒に立ち上がりましょうよ。
法曹界揺るがしましょうよ(?)
意識し過ぎて、その日の行動はきっと全て空回っていたと思います。
バイトが終わって制服から私服へ着替えた時も「可愛い」と言ってくれました。
わたしは何を思ったか、グレーのプリーツスカートを翻しながら「チアリーダーみたいですよね」という、何ともまあ面白くも無い返事をしてしまいました。
今年の目標、【おもしれぇ女になる】なのに。
と、まあ、猫ちゃんは最初から最後までわたしの日常を引っ掻き回して帰っていきました。
あの人と別れる時はいつも「きっとこれが最後だろうなあ」という心持ちでいるのに、その儚い想いは何故かことごとく毎回打ち砕かれています。
多分、また会います。会っちゃいます。会いたいです。
どうせ、何の興味もないくせに。
可愛いとか軽々しく言わないでください。
ホラ、面倒な女の子ムーブに突入しちゃうじゃないですか 🎀• - •̥🎀
言うなら是非、人生を貰う覚悟で言ってください。
夏は狡い季節です。今年もそうでした。
その日の夜、勇気を出して「わたしもまた一緒にごはん行きたいです」と送ったメッセージは簡易なスタンプで止められたし、彼女がいるのかいないのかすら聞けませんでした。
コメダ珈琲で教員採用試験に向けて友だちと合宿(?)をしていたら、知らぬ間に常連認定されていたし。
試験前日や当日に友だちから応援メッセージが送られてきて、「これもうわたしの勝ちやん」と負ける気がしなかったし。
花火大会へ行ったら正体不明の虫に刺されたし。
この世で一番怖いのはマッチョとサボテンだから、これって結局サボさんのことだよね、とこの世の真理に気付いちゃったし。
その話を聞いていたバーテンダーのお姉さんに「わたしはコッシーの方が怖いです」と突っ込まれて、隣のお客さんが咳き込み始めたし。
卒論の中間発表一週間前に内容を全入れ替えすることが決まって、当日、教授と後輩の前でほぼアドリブで20分間喋り通したし。
韓国旅行行こ!って3時間もかけて計画を立てたのに「あれ?もしかしてウチらって金欠?」という結論に至って、結局高知へ旅行することだけが決まったし。
あまりにも口座にお金がないものだから、「もしかしてクレジットカード不正利用されてる!?」と慌てて明細を確認したら全て身に覚えがある出費だったし。
「全部落ち着いたらちゃんと告白するから」というドラマみたいな台詞を面と向かって言われて、思わず宇宙猫みたいな顔しちゃったし。
でも、「実はずっと引きずってる人がいるんです」なんて認めたくないし、言えないし。
なんだなんだ、この世界は今日も難しい。
そんなこんなで、だいぶん後半に「まとめ」要素を詰め込みましたが、わたしは元気です。
こんなにおちゃらけた内容だけれど、実は何かと自分の向き不向きを実感することが多い一ヶ月でもありました。
ストレスによる体調不良が続いて動けなくなったり、きっとみんなが躓くこと無く越えていく壁の前でまだ足踏みをしていたり、逃げ場がないと感じて勝手に息苦しくなったり。
罪悪感、無力感。
誰もわたしを知らないくせに、と周りを突き放す悪い癖。一人で孤独を選んだくせに勝手に寂しくなるの、いい加減辞めてください。
涙を流せる時はまだ良い時で、最悪なのは「何でわたしはみんなみたいにできないの?」と全てを投げ出したくなる時です。すべて。
ざぶ、と水に潜った感覚。
身体が重くて息が浅くて、みんなみたいに泳いでいけない。助けて、と声も上げられない。
今一番求めている言葉は「一緒にどこかへ逃げ出さない?」だったりします。
ごめんね、こんな長話。他の人には内緒です。
でもね、でも。
言葉を選んでいる時、文章を書いている時、誰かの特別を覗いている時、芸術に熱中している時。
わたしは少しだけ楽に呼吸ができます。
それを知れたのも、この8月でした。
収穫です。
これはわたしの唯一の逃げ道です。
負け戦かもしれないけれど、わたしはどうやらこの人生を生きていかねばならないようなので、
うまくできないことは誰かに預けて、わたしは、
わたしにしかできないことだけ背負おっていこうと思います。
そして、逃げて、逃げて、逃げて。
息苦しい水の中を最後まで逃げ通したいと思います。
ピース。わたし。狡い子なんで。
大丈夫です。
ちょっと忙しい日が続いたので、何だか悲観的な文章になってしまいましたが、本来のわたしは、嫌なことなど寝たら忘れるマジカルラッキーガールなのです。
一休みしたら、また走り出します。
それまでは深呼吸して、よく眠り、甘い紅茶を啜りながら、朝から晩まで文庫本に没頭します。
ただね。折角なら、ここに残しておこうと思って、いつもなら隠してしまう暗い部分も書きました。
またいつか底まで落ちてしまった時のために、立ち直り方を記しておいた方が良い。
その方が、人生をご機嫌に過ごせます。
そうやって少しずつ、さらりと年を重ねていきたいものです。
サ〜〜!!
予定を詰め込み、サンダル引っ掛け、身体ひとつでまだまだこの夏を最後まで泳ぎ切ります。
自分で決着をつけるのは辛いです。
でも、宙ぶらりんはもっと辛いです。
だから、自分の答えを見つけます。
大丈夫、絶対しなきゃいけないことなんて、そう多くありません。
面倒ならもう少し続けます。
でも無理だと思ったら、さらりとかわして狡く生きていきます。
夏は狡くて 甘くて 愛おしい 季節ですから、ね。
では、良いお茶菓子を見つけました頃にまたお会いしましょう。
今日も独り言にお付き合いいただき、ありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください🎐
最近、米澤穂信さんの「氷菓」シリーズ再熱してます。
またね (^-^)
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