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夏の宿題に頭を悩ます大学生の話


皆さん、こんにちは、こんばんは。

たけだです。

最近出逢った人、昔から知っている人。
身近な人、手の届かない人。

そんな周りの人達がみんな素敵すぎるので
たけだも新しいことに挑戦しようと
新しい環境に身を置きました。

周りは大人ばっかりでちょっと緊張するけれど
もっともっと大好き日本語を極められるように。

新聞社に応募した「朝焼の鯨」を見てくださった方から、お電話を頂きました。
私達が主催している詩の会に参加してみないか、と初めてのお声掛け。
わくわくしながら、二つ返事で参加させて頂きました。

何だか世界は広かった。
とても、とても広かった。

隣にいる人に見えている世界が、
こんなにも自分と違うものなのか。
と、鈍い何かで頭を殴られたみたいな衝撃。

それと同時にどうしようもなくわくわくしました。
私ももっと広い世界で、言葉を学んでみたい。

いつか、私の書いたものが、
皆さんの手元に形として届きますように。

色んな感情の渦に呑まれて気付いた時には、
入会希望のお電話を掛けていたのです。

そこの夏課題で詩を書く宿題を頂きました。
初めての私の宿題。

試しに幾つか書いてみたけど
どこか決め手に欠けるのです。
頭悩ます。ぐわんぐわん。

もしお時間ありましたら、
気に入ったものを教えてくださいね。

雨ときどき愛しい私


きっともう間に合わない電車に向かって
本当は駆け出してみたかった
一本遅らせた電車に絡まる細い秒針
雨に濡られて   それでも笑っていたかった
焦る心に溺れる私は
無限に   夢幻に堕ちていく

ぼさっとして挟まった自動ドア
気付かずに失くしたペアリング
貴方と並ぶ帰り道
黄ばんだ思い出に星が垂れて
土の匂いに脳が奮えた

「生まれ変わったら」なんてよく言うよ
来世を考える前に現世を
だけど現世を生きる合間に甘い来世を

星屑を散らした頬も
見るもの全てを閉じ込めた三白眼も
みんな愛しい私の一部
みんな揃って金平糖の夢をみる
不細工な素敵   素敵な私
今日の天気は雨ときどき愛しい私


少し前にnoteに呟いた「雨ときどき愛しい私」という言葉が自分の中で妙に気に入ったので、その言葉を、より魅力的に感じられるように中身を一心してみました。


アパシーの象徴を乗り遅れた電車に見立てて
立ち止まる自分と進み続ける細い秒針を対比させました。
心に余裕が無い時、案外作り笑顔もできないものですね。

空っぽな心をぶら下げて、ぼさっとコンビニの自動ドアに挟まった。
それなのに微塵も恥ずかしさを感じなくて、肩に鈍い痛みが残るだけ。
昔大切にしていたペアリングも気が付いたらどこかに失くしてた。
貴方と並んで歩いた道を、なぞって歩いたりしてみても、思い出は、黄ばんだ思い出のまま。
見上げた空には星が垂れていて、久しぶりに吸い込んだ土の匂いに脳が奮えた。

いつの日かの帰り道、貴方は「生まれ変わったら」なんて言った。
ロマンチストな私は、自分を悟られないように「そんなことよりまず現世でしょう」と、それだけ。
「現世を生きる合間に甘い来世を」
貴方は夢見がちで、それでいて誰よりも現実に両足を着いて生きていた。

鏡を見ると、星屑を散らしたようなそばかすの浮かぶ頬。感情を隠すことのできない三白眼。
貴方が愛したはずの私を、私は今、愛せているのでしょうか。
ちゃんと愛さなきゃ。全部、全部。
大切な私の一部。
貴方が愛した私の一部。
涙ぐんだ笑顔は最高に不細工で、とんでもなく素敵に見えた。
涙は熱を帯びて顎の先で渋滞。
温い雨。今日の天気は雨ときどき愛しい私。

そして私はきっと貴方が


小さな頃から言葉の意味は知っていたけど
素敵な使い方を知らないの
毎日一人で空騒ぎするのも
毎晩一人で反省会するのも
少し疲れちゃったのよ

だからおねがい
どうか聴かないふりをして

私は
肌で弾ける優しい雨がすき
温くなったミルクがすき
紫陽花が雨粒に頷く姿がすき

そして私はきっと貴方が


小さな頃から言葉の意味は教わってきた。
それでも言葉の使い方を習ったことはあったかしら。
そのせいで、毎日空騒ぎ。
夜な夜な一人で反省会。
ぐるぐる回る私の思考に、決着が着かないまま迎える朝。
少し疲れてしまったわ。

だからお酒にでも頼って、酔ったフリをして、
馬鹿になったフリをして
口走ってしまうから。
だからおねがい。どうか聴かないふりをして。

好きなもの、たくさん。
美しいもの、たくさん。
愛しいもの、たくさん。

そんな素敵を切り取って、並べて繋げてその勢いで
貴方への言葉、どうか形になって。


これは、私の大好きな方の詩に感銘を受けて書いたもの。貴方には気づいて欲しい。
二番煎じをオリジナルに。


星遊び


夏の夜期待した流れ星は
惑星からの   誰かのポイ捨て
眠気まなこで数えた星は
両手からこぼれて   温かいミルクに

世界は世界を隠したがるのに
無駄に優しさで溢れてた

惑星をころんと舐めたら甘いのか
月の向こうにうさぎはいるのか
貴方を待っているこの時間が
どうしてこうも愛おしいのか

私はまだこの世界を   何も知らない


原っぱに寝そべって、聴こえてくるのは心音だけ。
空に尾を引く流れ星。
そんなもの、誰かが惑星からポイ捨てした宇宙のゴミ。
小さな頃、眠気まなこを擦りながら数えた星の数は
気付いた時には夢に落ちていて、両手からこぼれて
10では足りない。
背中には毛布、目の前にはお母さんが淹れてくれた温かいミルク。

世界は難しいことに溢れていて、
誰も昨日の星の数を教えてくれたりしないけど、
この、もう冷えきってしまったミルクを見ていると
この世界は無駄に優しさで溢れているのだと
朝日に濡られた睫毛に悟る。

惑星を口の中にほおりこんで、舐めたら甘いのかしら。
月の向こう側でうさぎさんはお餅をついているのかしら。
貴方を待っているこの時間はどうしてこうも愛おしいのかしら。
知らないこと、たくさん。
分からないこと、たくさん。

私はまだこの世界を何も知らない。


彷徨う織姫


夢の中で
惑星をころんと舐めたから
飾り付けた昨日の星座は
両手からこぼれて
屋上が星まみれ

温い雨に飽きて
ゆらゆら
紫陽花   ゆれる
六月のわがままっこ

白いスニーカー
石鹸の匂い
乾かないうちに
片足突っ込む
そのまま駆け出す
青い透明な闇
神様がひっくり返した
東のベガ

お母さんが言った
星が降るから今夜は傘を


1つ思うのは、きっとたけだは星が好きなのだな。
自分自身が、田舎育ちというのもあって、夜空の星を眠い中数えた経験が重なるのでしょう。
小さな頃から星の形が金平糖に似ているなぁと思っていたので、それも強く残っているのでしょう。
それにしても、たけだは惑星を舐めたがるな。ころん。金平糖。
たけだが紫陽花好きなのも、私が六月生まれのせいでしょう。


星の数を数えているうちに、いつの間にか眠りこけていた。
ふわふわした夢の中で惑星をころんと舐めた。
だから私が舐めちゃった惑星が夜空から抜け落ちて
一生懸命指で線を引いた星座は、両手からこぼれて
屋上にばらまけてしまった。

温い六月の雨。梅雨。
白煙立つミストシャワーに飽きて
駄々っ子のようにヤダヤダ首を振る紫陽花。
やだやだやだやだ。
お天気の下、私を見て欲しいわ。

白いスニーカーは雨に濡れて、汚れてしまいました。
洗いたてのスニーカーは白い石鹸の匂い。
乾くのを待つのも何だか焦れったくて
片足突っ込んでそのまま駆け出す。
青い透明な闇に呑まれて、一人で彷徨う宵の闇。
神様が黒の上で星の池をひっくり返しちゃったから
今日の空、星まみれ。
ベガも今日だけは東の玉座に腰を下ろしてないみたい。
ベガ。織姫。
これじゃあ彦星様、天の川渡れない。

息があがる。
ぶるぶるっと身震いをして、そっと両手で肩を抱く。
冷たい。少し冷えたみたい。
星が降ったんだ。降られた星に濡れたんだ。
そういえばお母さん言ってたな。
星が降るから今夜は傘を。



ここまで読んでくださった皆様、 
どうもありがとうございます。

高校までと大学って何が違うのだろう。
最近その答えに薄ぼんやりと気付いてしまった気がします。

言葉の意味を学ぶか、言葉の使い方を学ぶか。

高校までのお勉強って暗記、暗記、暗記パン、、、
みたいな。
ただ、他の人よりひとつでも多くの言葉の意味を頭に覚えさせて、そこから派生する疑問や言葉の味わいを一切無視する。
そんなガッチガチの「お勉強」って感じ。

でも、大学ってそうもいかない。
それぞれ既に確立された世界観や人間観で、生きているから、今更言葉の意味を詰め込んだって、それはただのテンプレ。美味しくない天ぷら。

大学にいる人達って面白い。
それまでの世界が一気に開けて、言葉の世界も一層分まるまる上がって、周りを少しでも吸収したい!その一心で、精一杯。

だから大学では、
言葉の意味より「使い方」を学びたい。

ふとした時、言葉の意味が分かっても、使い方を知らなければ、その言葉を知らないのと同じ。

そんなの勿体無い。
言葉は世界を広げるひとつの手段なのに、そんなの、あまりにも勿体無い。
知っている言葉の数より、使いこなせる言葉の数を増やしたい。

それが、私が学ぶ「言葉」。

ずっと喉に引っかかっていた小骨がとれたみたいな感覚。

あー、すっきりした。


最近お天気、ぶれぶれですね。
おかげでいつも折り畳み傘を持ち歩くようになりました。
夏、目の前って感じですね。
今年の夏は、花火、できたらいいなぁ。

今日も独り言にお付き合い頂き、ありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。

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