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古式ボディワークの見えるところと見えないところ

古式ボディワークには、坐禅も瞑想も、ヨーガのいわゆるポーズも、気功も太極拳も、空手の型も含みます。

古式ボディワークの見えるところ

まずポーズや動作を見よう見まねで真似することから始まります。
覚えていくに従い、華やかさや、力強さや、瞬発力を加えていき、腕の位置や足の位置や腰の位置などを微調整していきます。このアプローチは万人に理解し易いところです。
それらにフォーカスすることにより、競技では点数を付けやすくなり、いわゆるフィットネスやスポーツになります。

スポーツになれば、肉体的な負荷を加減することにより子供から中高年まで楽しんで汗を流せるようになります。

とっくにブームは終わってしまいましたが、私も昔、カンフーの型をフィットネスとして提供していた頃があります。

馬歩や弓歩がしっかり出来ていなくてもいいのです。蹴りや突きの方法や力の伝達などもどうでもよくて、ただカッコ良く、その時だけ汗を流せればそれで良いのです。いわゆる「やった感」の提供です。
フィットネスやスポーツにしてしまうと「やった感」はすぐ感じます。

私は、ある日何ともいえない虚しさに襲われて若い人にレッスンを譲りました。
「やった感」と「健康」は違うのです。

人の一生を考えた時に、「やった感」は、一時の楽しみや、一時の癒しにしかなりません。
それで良しとする方々も多いのです。
商業主義が狙うのはその「やった感」です。

それに対して、古式ボディワークの場合は、「見えないところ」を極めていきます。
すぐには「やった感」は味わえませんが、フレイル予防の為には大事です。

古式ボディワークの見えないところ

フレイル予防の為には「見えないところ」を大切にすべきです。
具体的には「姿勢」「繋がるからだ」「エネルギー」「呼吸」「心」です。

「姿勢」も実は「見えないところ」です。
具体的には、猫背や反り腰を治して、卵が立つ場所や、タオルが立つ場所を探します。
いわゆる「軸」がある「姿勢」です。
軸があると、ちょっとやそっとの力で押されてもびくともしません。
座っていても同じようにびくともしなくなります。
そのように他人を押したり、他人から押されたりのテストを何年か繰り返して、「軸」が出来上がります。
「軸」がある姿勢が出来上がった頃には、「軸」を意識しなかった頃の自分と比較して元気になっている事に気がつくはずです。

「繋がるからだ」も「見えないところ」です。

同じポーズや動作をしていても、「見えないところ」が見えてきたら本物です。

ただ頑張ってポーズを取るのではなく、パワーだけで動くのではなく、「繋がるからだ」でスムーズに動く関節を伴って、しなやかに動く。

「姿勢」と「繋がるからだ」が出来るまでには何年かかかりますが、その頃には「呼吸」が自然に深くなります。

その呼吸と共にエネルギーが巡るようになります。
大地と繋がり、元気が湧き上がる肉体を感じられるようになります。

武道でいう自然体が出来上がっていきます。

自然体は、スポーツのパフォーマンスを上げますし、ストレスにも強くなります。

例えば、中村天風さんのクンバハカ法も即効性が出てきますし、
「今日一日、怒らず、怖れず、悲しまず」を実践する事が容易になります。

昔の人が伝えたボディワークをフレイル予防に活かすには、「見えないところ」が凄く大事なのです。

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