見出し画像

「フェミvsオタク」Vチューバー削除問題を考える

突然ですが、私はフェミニストです。
常日頃から女性の地位向上や差別の撲滅を願い、そのために粉骨砕身しております。
女性に対するセクハラ等は許せません。

と同時にオタクでもあります。
アニメなどのサブカルチャーの地位向上、そして表現の自由を何よりも重んじます。

さて最近、フェミニストとオタクの仲が悪いです。
以前からSNSで諍いが頻発してたんですが、SNSの世界を飛び出し、政治を巻き込んで「フェミvsオタク」の構図ができつつあります。

Vチューバー(CGキャラクターを使って動画配信を行うタレント)「戸定梨香」さんを起用した千葉県警の交通ルール啓発動画。
これに、全国フェミニスト議員連盟(女性議員を増やすために作られた、市民と議員の会員組織)が噛みつき。
「腹やへそを露出し、極端なミニスカートで性的だ」と抗議して、結果的に千葉県警が動画を削除した件。

この事件はさらに広がりを見せ、逆にVチューバーに理解のある「オタク議員」が中心となってフェミ議連への抗議署名活動を行い、5万人以上の賛同者を集めました。
もはや控えめに言って戦争です。この状況。

私が興味深いな、と思うのは。
フェミ側もオタク側もどちらもが「私たちは虐げられた被害者。相手は権力」と考えていることですよ。
これが状況をややこしくしてる。

フェミ側の言い分としては
「こんなHな動画がお堅い警察の啓蒙動画に採用されたわ。これは女は性的対象物という概念を国家権力が認めたということよ。こんな思想が伝搬されたら、自身が望まぬ性的行為を男性の快楽のためにさせられるかわいそうな女性が増えるのよ。特にお金がない、ビンボーで弱い女子が生活のために『賤業』であるHなお仕事をやらざるをえなくなって、ドスケベな男から下品で不快な扱いを受けたり、Hなものを認めない世間から差別されたりしてどんどん女性の地位が低下していくのよ。ムキー」

てなことなんでしょう。

逆にオタク側からしたら
「俺らは女性にセクハラどころかほとんどかかわりを持たない、もちろん彼女なんていないチー牛だけど。それでもVチューバーの女の子を応援してる時だけは幸せを感じるんだ。俺らの貢献が実って、ついに大好きなVチューバーが警察の啓蒙動画にまで採用されるぐらいに売れたのに。それが削除されてしまった。どうか俺らの楽しみを奪わないでくれ」

てな感じ。

どうも攻撃の矛先が微妙にかみ合ってないというか。

まあ穏便な人々からしたら。

「まあまあ両方とも落ち着いて。世の中ゾーニングが大事ですよ。警察の啓蒙動画に採用されるぐらいなら肌の露出はおさえないといけないし、そもそもVチューバーじゃなくてもいいよね。アニメ風の美少女は秋葉原のお店だけでいいんじゃないの」

てな感じなんでしょうが、これがさらにお互いの怒りにさらに火をつける。

フェミ議連はオタクが大人しく家の中でのみ美少女キャラを鑑賞し続けるとは思ってないし、またオタク側もここで引き下がってもフェミはまたなんか難癖付けてくるに違いない、ここで根絶やしにしないと、と考えている。

で、私の考えですが。
「君たち、敵を見誤ってるんじゃないの」
です。

そもそも「Hなものはよくない」て誰が決めたの。
そのルールこそが諸悪の根源なんじゃないの、ということです。

もしここで「Hなものはよくない」というルールが撤廃されて。
頭がいい、スポーツがうまい、面白いなどと同じく、セクシーさも一つの才能として社会から敬意を持たれるようになったとしましょう。

当然セクシーな自己表現は女性の方が得意です。
男性がブーメランパンツ一丁のVチューバーになったところで女性ほど人気は出ないでしょう。

そしたら女性の地位はめっちゃ向上します。
だってお金や人気、発言力などの直接女性の地位向上に関わる資産を一部セクシーな女性が獲得していく上に、「Hなものはよくない」という縛りからも解放されるんですから。
ほぼ無敵です。

そしてその影響力を生かして政治家になる女性も増えるでしょう。
元アイドルや元Vチューバーの議員なんてのが次々当選します。

フツーの女性もセクシーなアイドル議員に憧れて少しでもセクシーになりたい、と努力を惜しまなくなるので必然的にセクシーな女性が増え、色気で男性と対等以上に渡りあうようになります。

セクハラもなくなります。
「Hなものはよくない」という言説は、「痴漢やセクハラに合うのはスケベな格好という不道徳なことをしてる女性のせい」みたいな形で、セクハラの責任を女性側に分散させる効果をもたらしていたわけですから。
セクシーな女性の地位が向上したら、男性側も恐れ多くておいそれとセクハラ言動に及べなくなるでしょう。

もちろん世間の差別もなくなります。
だって「Hなものはよくない」という概念さえなくなれば、Hな職が賤業でなくなるわけですから。

オタク側からしても、自分の好きなアイドルやVチューバーが世間に認められていくわけですから、セクシーな女性の地位向上はありがたいでしょう。

じゃあフェミとオタクって完全に利害が一致するじゃん。
これが私の答えです。
女性の地位向上と表現の自由、これらは二律背反ではなく、「Hなものはよくない」という邪魔な概念をどけることで余裕で成立するのです。
まずは根本のルールを見直すべきなんです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?