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QUEENのライブを観て、後を継ぐものの美学を考える

天才的な創業社長と、創業当時から苦楽を共にした専務と常務がいる会社があるとします。
創業社長は40代で若くしてこの世を去り、その後20数年、専務と常務が代表を兼務したりしながら、どうにか会社を切り盛りしてきました。
そんな時に、彼らの息子世代の社長適任者が見つかり…

会社に当てはめたらこんな感じなのかもしれません。

QUEEN+アダム・ランバート東京公演@さいたまスーパーアリーナ、
最高でした!

高校生の時から大好きだった曲をライブで聴けること、
ブライアン・メイとロジャー・テイラーの70代を超えてもなお溢れ出す魅力や、
アダム・ランバートの美男子っぷりと超絶歌唱力に興奮しっぱなしの2時間半でした。

その中で、ふっと新しいボーカル(位置付けとしてはおそらくゲストボーカル)のアダム・ランバートの立場を考えてしまったのです。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」にも描かれていたように、初代ボーカルにして唯一無二の存在だったフレディ・マーキュリーは45歳の若さにしてこの世を去っています。

そのポジションに、自分が入るのはどういうことなのか。

QUEENは世界中にファンがいる超有名アーティストですし、QUEENがいることによって生かされている業界関係者も沢山いるわけです。
自分の力で、そのバンドを蘇らせられるというのは、非常に意義のあることだと思うのです。

その反面、どうしても音楽界のカリスマであるフレディ・マーキュリーと比較されてしまうことは避けられません。

後を継ぐものの美学は一つではありません。

先代が生み出したものを忠実になぞることにも、
今までのものを壊して自分なりのものを再構築することにも、
それぞれに美学があると思います。

そんな中、
フレディ・マーキュリーへのリスペクト、そして他のメンバーに対するリスペクトを示した上で、
決してものまねをせず、自分らしいパフォーマンスをするアダム・ランバートは、
プロフェッショナルとしてベストな選択をしていると思います。

私たちが仕事をする上でも、彼の音楽や仕事に対する姿勢は大きなヒントになるのではないでしょうか。

非常に荷が重いポジションでありながら、それでも観客を納得させ、惹きつけるアダムの実力は凄まじいです。

残念なことに、私がQUEENに出会った頃には、フレディ・マーキュリーはもうこの世の人ではありませんでした。
それでも、あの繊細で陰影があって、なおかつ生きるエネルギーに満ちた歌声に、高校生の時から何度励まされたかわかりません。
あのままクレイジーでカリスマ性たっぷりのおじさまになって欲しかったですし、70代になったフレディの歌声も聴いてみたかったです。

フレディはもういないのですが、ブライアン・メイやロジャー・テイラーとアダム・ランバートの、まるで叔父と甥っ子のようなあたたかい関係性がステージ上からも伝わってきて、3人がさらに好きになりました。

演奏はもちろん、ステージ演出や音響、ライティングを含め、プロフェッショナルの頂点の仕事が観られて本当に良かったと思います。

私も今日からまた頑張れそうです。

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