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人の味覚、オイシイってどういうこと?

人が自分の身体をキープするためには、外から食べ物を取り入れる必要がある。

今まで食事は、おいしいか、おいしくないかが1番の興味だった。病気をきっかけに、自分の身体をキープしたり、動かしたりするのに必要な食べ物=栄養、そんなことが初めて気になるようになった。(マア、アリフレタ キッカケデスネ)

それでもやっぱり「おいしい」は重要で、でも食事を変えたら「おいしい」の感覚が変わってきた。はて、「おいしい」って何だろう。

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口にいれたとき、人間が感じる味は、5種類。
塩味・甘味・苦味・酸味・旨味。舌の上にある味蕾という受容体が、それぞれあって、それぞれの味を感じる。

最初の3つは、ポジティブな味。

塩味は、身体の中にあるナトリウムなどのミネラルが不足しないよう。
甘味は、身体を動かす糖質のエネルギーを感じられるよう。
旨味は、身体に必要な栄養素をその食べ物がもっているか見分けられるよう。

この3つは、口にいれたものが、身体にとって必要だということを判断するために、口に入れてすぐに、感じることができるようになっている。

あとの2つは、元々はネガティブ。

苦味は、口に入れたものに毒がないかを見分けるため。
酸味は、口にいれたものが腐っていないか見分けるため。

この2つは、そもそもは、口にいれたものが好ましくない場合に排除できるように。ペッとはきだせるように舌で感じられるようになっている。

それなのに、人が、苦味や酸味を美味しく感じられるのは、成長していく間に、様々な複雑な味の経験値があがっていくから。
小さな子供が、すっぱいものや苦いものをあまり好まないのは、この本能によるものだそう。

また、それ以外の辛みや渋みは、舌に味覚の受容体があるわけではなく、例えば辛みは、口の中の痛点が触覚の刺激として受け取る。渋みも同じように触覚で感じるらしい。

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さて、現代の食事。
塩分過多で高血圧、糖分過多で糖尿病。生活習慣病といわれる現代病の原因の一つとして、塩と糖質(甘味)過多は、よく知られている。
たしかに、わたしたちが手に取る食べ物をふりかえってみると、塩分や糖分がとても多いよなー。

舌の味蕾で感じた塩や甘味は、そのままダイレクトに脳に伝わる。美味しく感じる感覚が備わっている味なので、しょうがないのかもしれないが、刺激的なこれらを感じると、脳は「モットモット、クレクレ」となる。

そして、その2つの刺激的な味覚を簡単に満たす事がつづくと、それ以外の味覚は、発達せずに、感じにくくなるのかもしれない。

「最強塩なし料理理論」の松嶋啓介シェフによると、食材は、それ自身で(ナトリウムも含めて)うま味をもっている。手間と時間をかけて、ゆっくりと調理すれば、食材は塩をしなくても驚くほど美味しい。
例えば、アスパラガスやブロッコリーを、塩を入れずに、弱火、60度位で20分~30分ゆでると(色は少し悪いが)塩を入れてゆでたように美味しくなるそうだ。(実験済み、タシカニ!シャキシャキオイシイ。下の写真はその時のアスパラ)

塩や砂糖は、時短でクイックに味をつけるには便利な調味料だが、それが本当に必要なものなのか、それらによって、病気になって自分の人生を時短することがしあわせなのか、ということを考えてほしいと話していた。

また、味覚研究では、まだまだわかっていないことが多いらしいが、腸の中にも甘味・旨味の味覚受容体はあるそうで、食べ終わった後にジンワリと「ああ美味しかった」と感じるのは、腸の味覚受容体が旨味を感じるからだそう。
塩味だけの短絡的な刺激だと飲み込んでしまえば「モットモット・クレクレ」となるけれど、旨味をうまく使えば、後からじんわり美味しく感じて、食後の満足感が持続するのだと。うまく使えば、過剰な塩味や甘味から抜け出せるかもしれない。

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そして、口から食道、胃、小腸とつながっていく消化器官は、中空性器官で、例えば胃や小腸の「中」は、身体の内側なんだけど、よく考えると外側とも言える。そこから栄養を取り入れるためには、粘膜、筋層、漿膜という頑丈な( ? )3層を通り抜けられるようにしなければならない。

外界から取り入れられた食べ物は、口で咀嚼され胃で分解、消化され、小腸で栄養分を吸収するところで初めて、その三層構造の壁を通り抜け、身体の「内部」に入ることになる。

毎日、当たり前のようにする食事の、食べ物を消化・吸収する仕組みの中にも、コレデモカ!というくらい精密な仕組みがあって、その壮大でロマンにあふれたドラマのようなストーリーに感動なのである。その話はまた今度。。。

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