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心にもソーシャルディスタンスを。

メンタルは強い方だと思っていた。
感受性に乏しい方だと思っていた。

「全米が涙」みたいな映画を見ても、
「ハンカチ必須」みたいな小説を読んでも、
ほとんど泣かない。

いい話だなとは思っても、
お涙頂戴みたいなのが見え透いていて、
泣くまで至らない。

ニュースやSNSで
「感受性の強い人は意識的に情報を遮断するようにしましょう」
なんて言っていたけれど、他人事だと思っていた。

そう思っていた。


ここ数日なんとなく調子が悪かった。

天気が悪いからかなとか、
運動してないからかなとか、
勉強が思ったように進んでいないからかなとか、
いろいろ考えたのだが、
その原因がやっと見えてきた。


私は、外の世界に対する感受性は乏しかったが、
身近な世界に対する感受性はちゃんとあったのだ。

その身近な世界の枠が小さかっただけだった。


ここ数日で、楽しみにしていたイベント・行事に一気に暗雲が立ち込めた。
友人のネガティブな発信を目にすることが多くなった。

知らず知らずのうちに、身近な世界に揺らぎが生じていた。


思ってみれば、自分や家族や友人や恋人に関することに対しては
泣き虫だった。

唯一泣く映画は、かつて彼氏と一緒に見に行った思い入れのあるものだった。
卒業式はいつも泣いていた。
はじめて親元を数週間離れた時は、ホームシックになった。


感受性が乏しいとか鋭いとか一言で言うけれど、
そもそも人によってものを感じる枠が違う。

「密です」「ソーシャルディスタンスを守りましょう」
最近よく聞く言葉だ。

物理的な距離だけでなく、心理的な距離にも応用すべき言葉ではないかと
今は思っている。

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