浅草キッド

日付変わってしまいましたが水曜どうでしょう(見たことないけどタイトルだけ知ってる)
昨日の水曜日に『浅草キッド』を観た。


一回観ただけではすべてのこころのやりとりに
気づけなかったけど
いろんな愛のかたちに溢れている作品だった。

まず一番印象に残ったのは【「ばかやろうっ!」の言葉に込められた愛】

師匠と弟子 
お客を楽しませるために、純粋な芸で売れる大切さ
純粋な歌やお笑いをやりたかった気持ちが伝わってきてやるせない怒りの気持ちを深見師匠から感じた。

師匠は芸事もいろいろ達者で実力をもっているけど
最後までストリップのフランス座にこだわった。

それはなんだろうと考えたときにフランス座にいるみんなの気持ちを
考えているから、最後まで懐を持って芸事で勝負する心を
教え続けてた。
「笑われるんじゃなくて、わらわせろ!」
って、ちゃんと自分の芸を観てくれるお客をつけられるように。
たけしもその言葉に感銘を受けてたのが素敵だった。


ぶつかっても帰って来る場所 ‘HOME’があること
陰ながら見守って行動してた深見師匠の姿に涙が止まらなかった。

次に印象に残ったのは【芸事でたべていくことの難しさと切なさ】。

『芸を磨きたいなら鯨を食べて。』って衝撃以外になにものでもなかった。
芸事ってそういうセカイなのか。

クジラは歌で心を通わせて、つながるものなのに。

歌(芸)で商売をしていくためには無惨にもそれを食べていく。
きれいごとだけではやっぱり通用しないセカイなんだなって思ってしまった。

女性はストリッパーって
歌って体も見世物にしなければならない。千春の歌こそが
うまいってたけしはどんなに頑張っても希望を見いだせない千春に
後押ししてたけど、そこに感動してくれる人はなかなかいないんだって
あの舞台からの心もとない男性客からの言葉が刺さる。

あのときの千春はどんな気持ちだったんだろう。
純粋に歌が好きで始めたことがいつの日か
違う目的にかわったり、報われないことの切なさ、やるせなさ。

あの一瞬の表情と飲み込んでうまく交わす強さ。

その後自分は追いつけなかったけど、本気の芸事で食べていくことを目指す
たけしの姿を見送ったあとに 
千春は結婚したのかな?
こどもがたけしからもらった鯨のサインの読み方を教えるシーン。

くじらって読むのよって、これはやっぱり大切な子どもには
見せたくないセカイもある。純粋な歌を歌うくじらを伝えたかったのかなって思った。


3つ目は教えてくれた師でもあり家族でもあるフランス座を
振り切って【売れたたけしの姿】。

時代の流れによって衰退していくストリップ座を
出て、新しく芸を歩んでいくことを決めるたけし。

かごの中の青い鳥が最後かごから飛び立っていくシーンも印象的だった。

一緒にいた期間は短い中でも心をともにし続けていた
ように私は感じて。間違いなく深見師匠にとっては
自慢の息子であり、たけしにとっては海のように広い心と愛を持つ
超えられない師匠だったのかな。


私は、浅草フランス座は【海のようにいろんなものを包み込む場所】
だと最後思ったよ。



なぎこ



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