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放棄しない、という選択

未来という言葉を子どもに説明したところで、空を飛ぶ車だったり、宇宙旅行だったり、そんなSF的アニメカルチャーな世界を想像して笑ってくれる程度で、自分たちが大人になり、やがてその世界で生きていかなければならないという実感を持つことは無理だ。

考えているようで考えていない、思考するのを止めてしまっているということは、実は子どもでなくても結構ありがちで、面倒だから、自分には関係ないからと無関心の先にそれを置いてしまって、視界から遠ざけている物事というのは、ままある。

選挙もその一つだろう。

行かなければならない、投票しなければならない、というけれど、これは義務ではなく権利だ。自分たちの代表を選ぶという権利。
ただ結果を見ればいつも勝つところは決まっている。
細かな情勢こそ異なるけれど、大勢に変化はない。
自分が行かなくても同じじゃないか

だから、行かない。
という選択

若い人に限らず、多いのではないだろうか。

けれど自分が行く行かない、投票するしないに限らず、我々の代表は勝手に決まり、勝手に国政を運営していく。

国政とは何だろうか?

それは「わたしたちの未来」である。

あなたは麻雀をしたことがあるだろうか?

麻雀とは中国を起源とする牌を用いて役を作って遊ぶテーブルゲームの一種だ。
多く、四人で卓を囲み、そこで一番点数の多かった一人の勝者を決める。
プレイヤーは役を作り、和了る(アガル)ことを目指す。
当然最初は誰もが一番を目指す。
けれど多く回数を重ねていく内に、やがて気づくのだ。
勝者は一人だけだと。
そして、一番負けない為に今度は「おりる」という術を覚えることになる。

何故ベストを尽くさないのか?

けれど麻雀では、その局(ゲームの最小単位)で勝つのは一人だけなのである。
どうやっても勝つのが難しい、という手札は存在し、そこで無理を続けても相手が勝利してしまう可能性の方が高い、という局面は多い。
そういう時に「おりる」という選択をすることが大切なのだ。

私は賭け事はしない。
だが賭け事をして負ける人間の多くは、元を取ろう、取り返そうとして更に賭けていく。
彼らは「おりない」。
これが彼らの敗因である。

わたしたちの未来を作る大事な政治。
そのために最悪の選択をしない、ということがまず大事だ。

だから私は選挙に行く。
投票をする。
最良を手にする為ではなく、最悪を選ばない為に。

それが子どもたちの未来を作ることだから。

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