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地味で平凡で長女な私

最近のお気に入りは、梨木香歩さん、小川洋子さん、そして宮下奈都さん。
今回は、何度も何度も読み返しては自分の生き方を再考させてくれる本。久々に読み返して書き留めたくなったので書いておく。

スコーレNo.4 宮下奈都著。

文章がとにかく好き。人間描写や風景、あと言い回し。初めてこの本を読んだのは多分大学1年生とかそれくらい。

自由奔放で無邪気な妹、七菜の双子の姉、麻子が主人公。本人は妹に比べて自分は名前も容姿も性格も平凡で地味だと思って生きている。そんな麻子の中学校、高校、大学、就職の4つのスコーレ(学校)を通して麻子が少女から女性へと成長していく物語。

スコーレとはスクールの語源、ギリシア語の余暇、遊びという意味。タイトルには最初の学校という意味と、家族、恋愛、仕事、結婚という4つの意味もあるみたい。

思ったことをつらつらと

まず、私と主人公の麻子が似ている気がする。長女で双子ではないけど、自由奔放で誰からも愛され上手な妹がいる。どうして同じ姉妹なのにこんなにも違うのだろう、と劣等感を抱くこともたくさんある。

長女だから、と我慢させられてきたことも痛いくらいにわかる。だから親が嫌いって訳じゃないけど、傷は月日が経っても癒えにくいな、とも思う。いつまでも心に残るというか。

あと、恋愛があんまり得意じゃなくていい自分を肯定してくれるのが好き。

学生らしい憧れで、甘酸っぱくて、でも切ない恋があると思えば、就職して社会人になったからこその安心感や包容力を求める描写が繊細に描かれていて、私も茅野さんみたいな人に出会いたい、と思う。茅野さんじゃなくても、私を肯定してくれる人に出会う、は大事だと思う。
実は会ってて気づいてないだけかもしれない。

初めて読んだ時は、No.2-3あたりで今はNo.4序盤くらいの年齢になる。そう思うと考えることや共感する部分がどんどん変化しているのがよく分かる。

私にもいつか結婚を考えられて、スコーレのようなエンディングを迎えられるのだろうか。今はまだ何も考えられないし、漫画みたいに嘘で結婚して親を安心させるだけさせたいという気持ちにすらなる。

とにもかくにも、私自身が充実できる物語を作りたいな、とありきたりなことを思ったりして、今日はここでお終い。

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