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永代和盛の囲碁人生 Vol.16 (平成9年度プロ試験)

平成9年度プロ試験

永代少年がのんびりと学校生活を楽しんでいる間に今年もプロ試験が終わった。この年は院生寮の先輩達が大フィーバーだった。王唯任(現五段)さんと張豊猷(現八段)さんの二人が入段したのだ。

王さんとの思い出は色々とあるのだが、一番印象に残っているのはうさちゃんの爪切りだろう。なかなか大きな置物のような白いうさちゃんで、耳の部分をつまんで口の部分で爪を切るようなイメージ。なかなか見たことがないものであった。

張さんは大の肉好きだったので、入段直後だったかプロ試験の最中だったかは覚えていないが、寮母さんがケンタッキーのフライドチキンを山ほど買ってきて食べさせていた。こんなに食べられるのかというほど食べていて、目を丸くした記憶がある。脂っこいのが苦手な永代少年は見ているだけで気持ち悪くなりそうだった。(実際には脂っこい匂いもあるだろう)

しかし、そんな大フィーバーの影で涙を飲んだ人もいる。熊丰さん(現七段)だ。王さん、張さんとともに台湾三人衆で頑張っていた。他の二人が入段して、自分が落ちるというのはどれほど辛かっただろうか。残念ながら想像がつかない。想像がつかないほど辛いだろうと思う。

前に国境を越えて修行している人達は強いと書いた。それは熱い想いを秘めているからだ。しかし、このような状況になったときはこの熱い想いが大きな負担と変わる

熊さんは気が狂うのではないかと子供心ながらに心配したくらいである。

平成9年度入段者

王唯任(現五段)、張りゆう(現八段)、松本武久(現八段)、ハンス・ピーチ(故五段)

女流試験・・・巻幡多栄子(現四段)

ハンス・ピーチさん(ドイツ出身)

ハンス・ピーチさんは海外普及特別枠だったと思う。師範推薦のようなものだが、Aクラスに10回ほど在籍していて実力は折り紙付き。プロになっていただいたほうが囲碁普及で日本棋院の為になるということだったのだろう。

そうなると一般から入段したのは3人。なぜ、前年はあんなに入段者が多かったのに今年は少ないんだろう? 日本棋院のホームページで棋士をしらみつぶしに調べてみたけどこれ以上見つからなかった。見落としがあるのだろうか‥。

推薦枠が発動されると入段者数が変わるのだろうか。
当時のシステムはよく分からない。

しかし、残念ながらハンス・ピーチさんはその後に海外の囲碁普及の際に亡くなってしまった。突然の訃報だった。体格は大柄だし、とても正義感の強い真面目な方だったので、それが海外では災いしたのかもしれない。

ハンス・ピーチさんは第二土曜日の院生手合いの際はほとんど泊まって勉強していった。一緒の盤で検討もして(自分は弱いので見てただけ)、今でもその盤面とハンス・ピーチさんの言葉は覚えている。他には卓球で遊んだりもしてくれた。ニコニコしていて本当に優しい人だった。

小学生のときに祖父の死は体験したけれど、それは何となくそろそろだろうなぁという心の準備ができていた。しかし、今回のは突然の出来事だったので、死ってこんなに突然に、そして簡単に訪れてしまうのだなぁと心に穴が開いたような不思議な感覚になったことを覚えている。

女流試験についてはまた次回に。

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