英国式金管楽隊独自曲事始 - その2
パーシー・フレッチャーがブラスバンドのために書いた「労働と愛」が1913年全英選手権の課題曲となったことが、それまで歌劇抜粋曲やオペラの序曲などを課題曲としていたのを大きく変更する端緒になりました。それまでにもブラスバンドのために書かれたオリジナル曲は、行進曲やカドリーユやワルツそしてギャロップ等のいわゆる軽い曲が主ではありましたが、コンテスト・バンドの指揮者が数多く作曲し、それらは課題曲や自由曲となっていました。
指揮者は作曲家であり編曲家であった - 2 –
ヘンリー・ラウンド(Henry Round)とオード・ヒューム(James Ord Hume)以外にも多くの指揮者兼作曲家がブラスバンドのためのオリジナル曲を書いていて、その楽曲がコンテストで多数演奏されていることは、ブラスバンド・リザルトで確認できます。
ウィリアム・リマー
ウィリアム・リマー(William Rimmer 1862–1936)氏は、1891年から1912年の間に361の大会で121団体の指揮をしていますし、19世紀末から20世紀初頭にかけて少なくてもマーチ30曲を含む73曲を作曲していることがわかります。
最も有名なリマーの曲の一つは、「オーストララシアン(The Australasian)」です。ウィット・フライデー(Whit Friday)での演奏が主ですが1906年から2021年までの間にコンテストで自由曲として151回演奏されています。ブラスバンド版と吹奏楽版のどちらも所持していますので、この行進曲をいつか演奏してみたいと思っています。
リマーの編曲
ジェイムス・フロスト
ジェイムス・フロスト(James Frost 1834-1912)氏は、1876年から1897年の間に24大会で18団体の指揮をしています。4曲を作曲し、4曲を編曲したことが確認できます。
リチャード・スミス
リチャード・スミス(Richard Smith 1856-1890)氏は、1854年から1885年の間に30大会で29団体の指揮をしています。作曲した8曲と、8曲の編曲作品がコンテストで演奏されたことが確認できます。
ヤコブ・カペイ
ヤコブ・カペイ(Jacob Kappey 1826 - 1907)氏は、英国海兵隊(チャタム)の楽長でブラスバンド・コンテストでの指揮記録はありません。作曲した2曲と編曲した2曲がコンテストで演奏されていることが確認できます。
ジョージ・ウェブ
ジョージ・ウェブ(George A. Webb -1905)氏は、 第1V.B.グロスター連隊の楽長で、1883年から1896年の間に4大会で2団体の指揮をしています。作曲した3曲がコンテストで演奏されていることが確認できます。
エドワード・ニュートン
エドワード・ニュートン(Edward Newton 1838-1914)氏は、第1王立ランカシャー民兵隊の楽長で、1875年から 1884年の間に7大会で5団体の指揮をしています。作曲した10曲がコンテストで演奏されていることが確認できます。
英国式金管楽団独自曲事始 - その1
・指揮者は作曲家であり編曲家であった。
・デントン・オリジナル・バンド
・ヘンリー・ラウンド(Henry Round)
ラウンドの編曲
・オード・ヒューム
・ティドビル序曲
シファースファ・バンド
編成
録音
・105冊のパート譜
英国式金管楽団独自曲事始 - その1
英国式金管楽団独自曲事始 - その2
英国式金管楽団独自曲事始 - その3
英国式金管楽団独自曲事始 - その4
英国式金管楽団独自曲事始 - その5
writer Hiraide Hisashi
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