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GIGAスクール構想が失敗するとしたら、この4つが原因となるだろう。(2022年度版)

2021年1月に同じ題名でnoteに書きました。

当時、GIGAスクールが失敗するとしたらこの4つとして

1. 教員のマインドセットが変わらない
2. 既得権のある企業が無茶な利益を取ろうとする
3. 活用度の計測方法があやしい
4. googleやMSが課金してくる

を挙げました。当時考えていたことと今も同じ考えのこともありますが、この1年でいろいろ状況も変わってきました。何より、教員のスキルアップはものすごいものがあります。
もう誰もzoomって何ですか?とは言わなくなりましたし、googleやTeamsでフォームを作れない人はいないのではないでしょうか。

私たちは、多くの学校ICTを支援する中で、経験知が蓄積されました。
そこで2022年度版として「GIGAスクール構想が失敗するとしたら、この4つが原因となるだろう(2022年度版)」を書きたいと思います。現場にいる私の感覚ですので、違うものも含まれると思いますが、1つの考察として読んでもらえたら幸いです。

1.教育DXといってもデジタル化するだけ。本来の目的を見失う。

ただ紙からデジタル化するだけで、まったく業務変革がされていないという状況が散見されます。DXのD(デジタル)はいいのですが、X(トランスフォーメーション)を考えていないのです。

たとえば健康観察アンケート。gフォームでやるのはいいですがデータが溜まってくるとCSVファイルを開けるのも時間がかかるようになります。
健康観察アンケートの目的は、素早い生徒ケアのはずです。どの教室に何人、熱で休んでいる人がいるのか、体調が悪い人がいるのか、全体と個別把握が瞬時でできる必要があります。ただフォームでデータを集めればいいというわけではないのです。

2.教頭先生が孤軍奮闘している。

多くの学校を見ていると、上手くいく学校とそうでない学校の違いがミーティングでわかるようになってきました。上手くいかない学校は教頭先生だけがミーティングに参加されます。上手くいく学校は、管理職に加え、IT化のイメージがある前向きな若手の先生も参加をされます。会議も明るく楽しいものになります。

また、現場の先生たちを巻き込める組織風土がある学校は、データの設定やその後の運用もとてもすんなり自然に浸透していきます。そうでない学校は、管理職がおっかなびっくりで進めるので、結果、成果が出にくい状態になります。
それは、管理職が現場の教員に気を使いすぎてはれもののように接している学校と、管理職と現場の先生がわかり合って役割分担が行き届いていて、いいチームになっている学校の違いを感じます。

3.問題があるソフトを売る企業がある。

多くの補助金が出たこともあり、大小さまざまなソフトウェアが学校に導入されました。

しかし、その中には「ひどい」と思われるものも含まれています。
安いだけで1つの機能で広がりがなく利用者がただ面倒になっているだけのものや、過負荷でサーバにアクセスできなくなったクラウドサービスもあります。(論外です)
しかし、一番問題なのは、名の知れた企業がそのシステムを担いで販売していることです。先生たちはピュアなので、聞いたことがある名前の企業の薦めるシステムなら問題ないだろうと買ってしまうのです。結局、被害を被るのはユーザーである教員や生徒・保護者となります。

4.googleやMSが大きく課金してくるXデーを意識していない。

浸透したあとに課金するのはグローバルソフトのビジネスモデルですのでしょうがないとは思いますが、それをわかって進めている県市町村とまったくリスク管理していないところとは対応が変わってきます。
文部科学省のMEXCBTやデジタル庁も共通基盤となるデジタル改革をを推進していますが、全てのものが揃うことはまだ先のことになりそうです。

Xデーを見越してダブルクラウドの考えの元、「学びの保証」を実現しようと対応している学校もあり、その差は歴然としています。

以上が「GIGAスクール構想が失敗するとしたら、この4つが原因となるだろう(2022年度版)」でした。
また1年後に書きたいと思います。きっとまた新しい景色が広がっていると思います。