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「行動を変える人」になるには「できたこと」から入るべき、たった1つのワケとは。

6月からFMラジオ局 K-MIX(静岡エフエム放送)でコーナーを始めました。
「ネットマン永谷研一のできてる?できてるラジオ!」と言います。
期間限定でアーカイブ音声が聞けるマガジンを作りましたのでご興味がある方はこちらをご覧ください。
さて
先週リスナーさんがラジオ局へのお手紙でこのブログを読んでくれているとお知らせしてくれたので今日は、著書「できたことノート」のメソッドの本質である「自己肯定感と行動変容の関係について」書きたいと思います。

私は「行動を変える」専門家です。今まで人材育成の仕事の中で15000人以上の人の行動を変える支援を行ってきました。

人は何か目標を達成しようとしたり、自分が理想とする”ありたい姿”や”なりたい姿”を実現しようとしたとき、行動を変える必要が出てきます。
今までと同じような行動をしても実現できるはずがありません。今までやっていなかった行動や本来やるべきだった行動、すなわち「新たな行動」を実践する必要があります。

ではどういった行動を取れば目標達成したりありたい姿を実現することが
できるのでしょうか。
誰も教えてくれませんし、正解はありません。よって、自分で考えて見出していくしかないのです。
そこで自分と向き合い「深く思考」すること、すなわち「内省」が大切になってきます。

「新しい行動をすればいいんだから、やる気さえあれば根性でなんとかなる」と思う人もいるかもしれまんが、実は「やる気満々」はウソをつきます。なぜなら、続かないからです。ガッツ空回りという現象です。

目標が高すぎて頓挫したり、「しっかり頑張ります!」と言っていた人が
半年経つと、できない理由で言い訳が始まります。残念ながら、気合いと根性でがんばったところですぐに結果が出ずに諦めやすくなるだけなのです。

やはり「内省」が大切。「内省」で自問ができれば良い方向に向かえます。では、どんな思考をする必要があるか、自問するための「問い」の一部を紹介します。

・果たして今の行動は効果的なのか?
・今できていることは何で、改良点は何か?
・独りよがりになっていないか?
・本来やるべきで取り掛かれていないことはなにか?

と言った具合です。しかし、このような自問によって誰でも深い思考ができるかといったら実はそう簡単には行きません。

このような「内省」はとても面倒で苦しいと感じることがあるからです。
また現状維持バイアスがあり、人はいつも同じような行動が楽なのです。
行動を変えるために、上記のような「疑う思考」を行い、行動を見直すなどしたくないのです。

「自分はよく考えています」という人に限って、具体性に欠けてふわっとしていて単なる「願い」を羅列しているにすぎず、「思考」とは言えないものもあります。これでは適切な行動変容ができるはずもありません。

そこで!大切なのは「できたこと」から自己認識することになります。
毎日5分、自分がその日できたことを振り返ってメモしていくのです。
慣れれば簡単。誰でも楽しく続けることができます。しかも、次第に「自分は結構やっている」と感じたり、「幸せを感じる回数」が増えたり
します。すなわち自己肯定感を上げることができていきます。

できたことを見つけるには3つのメガネが有効。自分を見つめる視線をちょっと工夫するだけです。感情に着目するハッピーメガネ。相手に着目するパーソンメガネ。その他数字に着目するナンバーメガネがあります。

そうして、自分を肯定的に見ている状態をまず作ることが、「内省」の準備としてとても重要なのです。

こう聞くと
『えー?だって目標達成や理想の実現なんだから、「やれてない」「できてない」ことを見つけてそれを「できるように」しなければなりませんよね?』
と思った人がいると思いますが、その考えは「行動を変える」という視点では誤りです。なぜなら、できていないこと、欠けていることを見るとその時点でダメだという感情が湧いて、その後の思考で「強い不安」が生まれやすくなります。その結果「逃避」という行動が出やすいのです。

一方で「できた方」を見つめて、その上でそれを健全に疑うことで、「十分ではないな」「もっと他にやるべきことはないか」という目的思考が可能となります
結果”できていないこと”を見つめることになりますので、少々不安が生まれますが、できたことが入り口のため「適度な不安」となります。
不安が適度であれはその不安を除去するために、人は挑戦行動を起こします。

要は「行動は不安から起きる」のです。大事なのは「強い不安」でなく「適度な不安」であること。同じ不安でも、強いか適度かで「逃避」か「挑戦」かが変わってくるのです。これが「行動を変える人」になるには「できたこと」から入るべき、たった1つのワケととなります。

このロジックがわかってくると、「行動を変えられる人」のスタートラインにつけます。そして、自分は「できている」ことを認識した上で以下のように自問するのです。

・自分は具体的に何ができているのか?(自己認識)
・そもそもなんのためにそれを行っているか(目的思考)
・前例主義に陥っていないか(思い込みからの脱出)
・本来やるべきことはなんなのか(欠けている行動の発見)
・全く別の方法はないか?(創造的な行動の発見)
・今の感情は楽しいのかそれとも苦しいのか?(本音の感情との向き合い)
・明日からどんなことを行ったらいいのか?(新たな行動計画)

永谷研一著書より抜粋

なぜ日々できたことを見つけることで、一見しんどいこのような深い思考ができるようになるかというと、自己肯定感が上がることによって、深層心理の中のフタを開けることができるようになるからです。
実はそのフタ、自分の本音と向き合うことを阻んでいるもの。自分のことを肯定的に見ている心理状態になると、そのフタを自然に開けることができて、はじめて素直に自分と向き合えるのです。

これで「内省」に進むことができるのですね。

今日は「できたことノート」のメソッドの中の「自己肯定感と行動変容の関係について」書きました。行動を変えるにはどうしたらいいのか考える一助になれば幸いです。

行動変容にはもう一つ「行動計画」が重要になってくるのですが、これは別の機会に『行動力が爆上がりする「行動計画の立て方」』を説明できたらと思います。