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GIGAスクール構想が失敗するとしたら、この4つが原因となるだろう。(2023年度版)

2年前の2021年1月に以下のタイトルの記事を投稿しました。
「GIGAスクール構想が失敗するとしたら、この4つが原因となるだろう。」
スキ率1%でした。。。汗;
1年後に2022年度版として、同じタイトルで記事を書きました。
スキ率4%でした。
最近の投稿で、スキ率20%や28%など2〜3割は評価いただいていることと比べても、さほど共感を呼んでないことがわかります。。。汗

ということで1年に1回の恒例投稿として、自分の視野を確かめる意味もあり、「GIGAスクール構想が失敗するとしたら、この4つが原因となるだろう。(2023年度版)」を書きたいと思います。

1.GIGAの先が教育DX!?

 「教職研修」という雑誌があります。2023年2月号の見出しをみて愕然としました。
 「GIGAの先、教育DXをめざして――自校の現在地から、一歩踏みだす」とあるのです。 えっ?「GIGA」=(イコール)「教育DX」だったはずなのに一歩後退です。
GIGAとは端末配布だったと定義してしまっており、記事内の特集でも「使われていない」ことが紹介されています。GIGAは端末とWifi配備だけ。これではうまくいくはずがありません。ICTは単なる道具。使い倒してなんぼだと思います。

2.保護者の人件費もタダ?。給特法4%の弊害か

いまだにPTAの会合で、保護者を集めて紙を配って説明するやり方が当然のように行われている学校があります。

どれだけ保護者の時間を使っているのでしょう。
 
会議もけっして活性しているとは言えず、保護者も黙っている人が多いと聞きます。それなら事前にPDFファイルを保護者アプリに配信して、アンケートで質問を収集しておいた方が有意義な会になるでしょう。

教員の働き方改革が進まない理由に「定額働かせ放題」と揶揄されている給特法4%問題がありますが、「人の時間はタダ」と考える学校文化があるのではと推測します。
「保護者の時間も見えない人件費」という ビジネスパーソンなら当たり前の視点が学校にも必要と感じます。

3.校長会の全会一致文化

ICTの活用が進まない理由に「上が決めてくれないから」ということを言う人がいます。教育委員会は文部科学省など政府の方針を見て判断しているので、決断が遅くなることは致し方ない面もあります。市全体の全体最適を考える必要があるからです。
一方で各学校では独自に特徴ある活動を行えますし実際実践してきたと思います。ところが、学校ICTとなると「校長会」がとても大きい決定機構となっており、全会一致でないと前に進めない場合があり、1人1人の校長が決断して学校独自で進めようする力が弱まってしまうのです。
これでは前例主義に陥ってしまい新しいことに挑戦するエネルギーが湧きません。

4.やらない仕事を決めない。

 前回の記事「給特法4%見直し。では先生は何をする?」

ぜひ、政府に法案を提出するとき、給特法を廃止とセットで、教員が
・やらなくていい仕事
・ICTを使うべき仕事
をはっきり定義してほしいと思います。

と書きました。イギリスの例を挙げて、教員がやらなくていい仕事が法律で定められていることを紹介しました。

ICTを使えば自ずとやらなくてはいい仕事も増えます。

・オンライン出席黒板を使えば出席時数の管理(教務日誌)がなくなる
・オンラインPTA総会を行えば、議案書など大量の紙の印刷がなくなる
・保護者欠席連絡アプリを使えば、朝の電話対応の時間がなくなる
・生徒連絡掲示板システムを使えば、朝のSHRでの伝達業務はなくなる
・自動採点アプリを使えば、面倒なテスト採点時間がなくなる
・毎日アンケートシステムで検温入力すれば、紙のチェック表がなくなる

といった具合です。
ICTを使う業務はその対にあるさまざまなアナログの業務をゼロにするという覚悟が必要です。ICT化した上でアナログ業務も残すなど中途半端なICT導入はかえって教員の負担が増えます。

以上が2023年版の
「GIGAスクール構想が失敗するとしたら、この4つが原因となるだろう」
でした。
この意見がすべてとは思っていません。現場を支援する中で1年後にはどんな意見に変わっているでしょう。今年どんな現実に直面するでしょうか。
まあ、何が起きてもネットマンはこれからも現場主義で学校でICT活用を推進する先生方を全力で支援していきます。