衣食住の「衣」 ②靴について

衣食住の「衣」①  では衣服についてお話ししました。

この記事では、身に付けるものの中でもうひとつ、特に大事な「靴」を取り上げたいと思います。  

朝玄関を出て夕方や夜に帰宅するまで、ほとんど脱ぐことのない靴。
それだけ長い時間「足」を包む靴が足と全身に大きな影響を及ぼすことは想像に難くないと思います。

「足」は、直立歩行で生活するわたしたち人間の体重を支え、歩行や走行の際には体重と地面からの突き上げを受けとめてくれる大事な部位です。また、心臓から最も離れた位置にある「足」は、血液の循環において重要な役割を担っていることから、『第二の心臓』と表現されることもあります。

さらに中国医学では、足には全身のつぼが網羅される重要な器官とされています。

足のかたちと働き

「足」は、以下のような形状をしています。

1.アーチ状の足底(土踏まず)
2.踵が尖り、指先に向かって開いた三角形

1の特徴により、歩行や走行による衝撃を緩衝し、
2の特徴によって、地面をしっかりつかんで、全身のバランスを保つ役割を担っているのです。


一般的な靴のかたちと弊害

ここで一般的な靴の形を思い起こしてみると、以下のような特徴を持つものが多いと思います。

・ヒールが高い
・靴先に向かって尖った形をしている
・中敷き(インソール)が立体形状をしている

こうした靴は以下のように身体への影響を及ぼすと考えられています。

・かかとを高くすると、つま先に力が集中してバランスを崩し、足首・ひざ・股関節・腰などに負担がいって傷めやすくなる。
・足先を尖らせることで、さらにバランスの崩れを助長する。
・中敷きが立体的に足の裏とフィットすることで、土踏まずのアーチ形状を無効にし衝撃を緩衝できなくなり、足首・膝・股関節・腰などに負担がかかってしまう。

こうした影響は下半身の整形外科的な症状だけでなく、頭痛や首肩こり、胃腸の不調など、さまざまな症状を引き起こす誘因になる場合もあります。

望ましい靴のかたち

時と場合によって上記のような現代的な履物を使用するのは仕方ないと思いますが、できるだけ普段は本来の足の形と機能を損なわない形状の履物を選んで履くことをお勧めします。

暖かい時期であればビーチサンダルや草履のような平たくて足先を締め付けない形状の履物が理想ですが、靴でしたら、かかとが高くなく、中敷(インソール)が平らで、足先がゆったりしたものを選んで履くようにしていただくと良いと思います。

長津田むつう整体院 スタッフ 木村順一

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