【情報を正しく選択するための】認知バイアス辞典 について


こんにちは!今回は、最近購入した『認知バイアス事典』という本について。
社会心理学や論理学から『日常に潜む偏った思考や思い込み』を打破するための本書。
本書ではそういった各分野(論理学・認知科学・社会心理学)の立場から用語
別に解説しています。そのためめっちゃわかりやすい。
用語一つ一つでは独立したものの印象が強いが、複数の事柄が集まって社会的な出来事につながっているんだろうな、ということが感じられました。
詳しく知りたい方はぜひ本書を一読して見てください!

今回はその中でも特に印象に残った部分『ピグマリオン効果』『内集団バイアス』についてアウトプットも兼ねて書いていきます!

1、『ピグマリオン効果』

心理学について興味がある方だったら『ピグマリオン効果』について、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
ピグマリオン効果で有名な実験として『教育現場での実験』があります。
この実験は簡単にいうと「教師が期待をかけた生徒の成績が伸びる」というもの。
生徒たちに『知能』を測定するためのテストだと伝え、そのテストを受けてもらいます。テストの際、学級担任には『今後成績が向上する生徒を割り出すための知能テスト』と説明をします。その後、テストとは関係のない無作為に選んだ生徒の成績が『今後伸びる』と教師に伝達。
それ以降は、教師に「今後成績が伸びる」と伝えられた生徒は実際に成績が伸びた、という実験です。
『教師から期待をかけられた』ことにより、実際の能力値にそこまで差がない生徒間で成績の差が見られたという話ですね。

このピグマリオン効果でいうと、最近の自分にも当てはまるのかなーと思う出来事がありました。
実は私には20歳年上のメンターがいるのですが、そのメンターが『君は案外要領がよく、理解もまぁ人並みよりかは早い』と褒めてくれた、というエピソードがありました。
普段は自分自身、要領があまり良くない、理解力もそんなにあるわけではない、と感じていたので普段厳しい評価をしてくるメンターからの言葉は、嬉しい反面、そんなに期待された目で見られていたのか、と驚きを覚えました。
その後は新しい方との出会いが増えたり、何かに挑戦していく回数が増えたりという出来事がありました。目に見える成果ではないため、実質的な効果が出たとは言い難いかも知れませんが、『ピグマリオン効果』に似た現象を感じました。
ピグマリオン効果を意識して、自分を伸ばしてくれようとする『メンター』を作ることも良いかもしれませんね。


2、『内集団バイアス(究極的な帰属の誤り)』




これは聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか?
『内集団バイアス』とは要するに、『仲間内組織を基本的にひいきして好意的に接すること』です。
逆に『内集団ではない組織』つまり『外集団』に対しては非好意的であることが挙げられます。
またこれは『究極的な帰属の誤り』というバイアスとも関わってきます。
『究極的な帰属の誤り』は、自分たちのチームが成功した時は『今までの努力や元々才能があったための成功』と内的要因を過大評価し、失敗した時は『運の要素や誰かの行いが関与して失敗した』と外的要因について考える傾向が強い、ということです。
逆に他のチームが失敗した時は努力や才能などの『内的要因』によるものだと考え、成功した時には『運やその他の外的要因が関係したからだ』と考える傾向があります。
このバイアスを浮き彫りにした実験として、『2002年の日韓共同サッカーワールドカップ』が本書では紹介されています。
2002年、日本と韓国共同で開催されたこのワールドカップは最終的に日本ベスト16、韓国ベスト4まで進出。
この結果をもとに、日本の大学生にどういった要因で日本はベスト16までいったのかを尋ねたところ、『ベスト16まで勝ち進めたのはこれまでの努力の成果である』と内的要因に帰属するのに対して、外集団にあたる韓国の結果について尋ねたところ『運と勢いによるところが大きかった』と外的要因により多く帰属した回答が多かったのです。つまり、『内集団にはひいき目で、外集団に関しては非好意的になること』が示唆されました。
結論、筆者は『どちらの集団についてもその力量を正確には測ることができなくなる』ことにつながり、差別やいじめなどの出来事にもつながる危険性があるため、気をつけて思考し、『クリティカルシンキング』という論理的に考える思考訓練を推奨しています。
こういったバイアスが存在して、人間の認知を歪めているということを知ることができる良い機会ですね。


1、2を通して考えられることとしては、誰か個人が『成功する』ということはあくまで可能性であり、元々才能ある人だけ成功するというわけではない、ことが言えると感じました。IQなどの生まれつきの才能はありますが、それらを考慮しても、集団での評価やかけられる期待によってその後は変わる可能性があるため、なんとも言い難いですよね。逆に言えばチャンスが存分に転がっているわけです。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は
『ピグマリオン効果』
『内集団バイアス(究極的な帰属の誤り)』
についてでしたが、自分自身思い当たる節や日常生活での実体験などがあったバイアスでした。
本書『情報を正しく選択するための】認知バイアス辞典 ではこの他にももっとたくさんの『バイアス』『思考の偏り』について記載されています。
また今回は『論理学』などに関する言及などはありませんでしたが、そういった『論理学の話』についても本書では解説があります。
気になる方はぜひご一読してみてください。
それではまた!



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