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日本はもはや、アメリカの属国だと言えないかもしれない~アメリカ企業が日本からどんどん逃げていく...

日本とアメリカは同盟国である。そして大東亜戦争後、アメリカの価値観が日本に広まり影響を与えてきた。

 しかし、それも最近頭打ちのような気がする。

  小泉政権の時に、アメリカは年次改革要望書を日本に突きつけて郵政民営化を企んだが、民主党政権になって年次改革要望書がなくなり郵政民営化は不完全なまま今に至っている。

  アメリカの保険会社も日本の保険市場に食い込もうとしたが相次いで撤退している。小売業や銀行も、アメリカ資本は日本で儲からないから撤退している。

  何事も大雑把で短期的なリターンがある投機が好きなアメリカ人と、自虐的とも言えるくらい細かい仕事が好きで預貯金を長期スパンで安定的に運用したい日本人の経済観念は水と油である。貯蓄から投資へと日本政府が誘導しても預金残高は過去最高を更新し続けているし大企業まで内部留保を増やし続けている。

  アメリカ的な価値観は、結局日本には根付いていない。グローバルスタンダードを標榜してきたアメリカなのだが、それを実践するためにはネーションステートを越えた価値観が必要で、そのためにはアメリカという国のアイデンティティを否定しなければならない。グローバル企業が国家を越えアメリカより巨大化してしまったのだ。

  トランプ大統領は、アメリカのネーションステートとしてのアイデンティティを取り戻したいらしいが、それは結局大味で大雑把な田舎臭いアイデンティティでしかなく、Googleやアマゾンといったグローバル企業とも価値観の摩擦が起きている。

  日本という国は様々な外国のアイデンティティを取り込んで日本流のアイデンティティに加工しなおしてきた歴史があり、アメリカに対しても例外はない。  

 日本のアメリカ流のものは、もはやアメリカ本国のそれとは違うのである。だからもうアメリカの価値観で日本でビジネスをやろうとしても利益が出ないのである。

   グローバルスタンダードが世界を支配すると思いきや、逆にネーションステートにどの国も回帰しつつあるし、ぶつかり合うことなく上手く棲み分ける知恵をどの国も欲しがっているように思える。

  日本がたまたま島国であったことも、異なる文化を受け入れて自国流にアレンジ出来たのかもしれない。その知恵があればトランプも不法移民の問題を解決できるかもしれない。

   とにかく、アメリカはもう、日本に影響を強く与える国ではない。

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