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体育の授業削減に潜むリスク

1)スマートな国民

韓国の新聞社が、興味深い記事を公開していましたのでご紹介します。

《ヘラルド経済 韓国人の体力、日本に大きく遅れ、2013年以降、先進国最下位圏
(前略)崔議員によると、2017年の国民体力実態調査当時にも肥満度を示す体格指数(BMI)も5~10%ほど韓国が高く、男女とも肥満レベル(25㎏/㎡)に近接し対策が急がれると明らかになったことがある。(後略)

世界中を見渡しても、日本は「肥満が少ない国」として知られていますので、これはイメージ通りです。

特に女性は優秀で、日本を上回る国家は殆ど存在しません。

そう言えば日本は、長寿大国としても有名ですが、やはり男性よりも女性の方が好成績です。

2)日韓の体力比較

同記事は以下のように続きます。

(前略)チェヒョンヅ議員室で公開した教育統計年報」の学生健康体力評価資料」と「日本のムンムソン最近のデータ」を比較してみると、「50mランニング」、「所定の位置幅跳び」、「往復時間がランニング」、「柔軟性テスト」などのすべての項目で韓国青少年が日本の青少年に劣る結果となった。(後略)

こちらに関しては、印象と異なります。どちらかと言えば、「韓国人は体力的に優れている」という思い込みがありました。

以下のグラフは、日本と韓国の中学1年生から高校3年生を比較したものです。

赤線が日本、青線が韓国、横軸は左から中1、中2・・・高3と並んでいます。

まずは、50M走の比較をご覧ください。

韓国の高校生は、日本の中学2年生と同等、中学3年生に劣ることがわかります。

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ついで、往復持久走、日本でいう長距離走のことでしょうか。毎年春先になると、体力測定として1500Mのタイムを計測していました。

こちらは、もう比較対象にならないくらいの差がありますね。

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韓国は学歴社会で、体育や部活には力を入れていないと伝え聞きました。

おそらく、早い段階でプロスポーツ選手になれそうな人材を選抜し、鍛錬を積み重ねるのだと思います。

野球やサッカーの国際試合で好成績を収めていることから、体力、身体能力で日本人より劣ると考えるのは間違いでしょう。

日本の高校や大学にも体育に特化した学科がありますが、さらに先鋭化させた感じでしょうか。

3)体育を削減するリスク

ここから分かることは、「運動をしないと体力をはじめ運動能力は伸びない」という事です。

考え方を変えれば、「運動を持続すれば相応の結果がでる」という事でもあります。

さて、西宮や神戸では、昨年から、体育の授業を削っている学校(小中高を問わない)が少なくありません。部活に費やせる時間も大幅減でしょう。

運動会や体育祭も、中止、あるいは規模を縮小して開催する学校が多いですよね。

どうしても、運動会そのものに注目してしまいがちですが、練習時間、つまり身体を動かす機会が大幅に減少している点は見逃せません。

学校側からすると、運動会の中止を決断すれば練習時間も不要になりますので、授業にあてる時間を確保しやすくなりますね。

おそらく、日本全国どこも似たような状況ではないかと予想します。

自治体や学校としても、苦肉の策でしょうから「体育の授業を減らすな」と主張するのはナンセンスですけれども。

それなら、各家庭で補う以外にありませんが、実際のところは難しいでしょう。

夏休みに入った直後から、コンスタントに宿題をこなせる生徒が少ないのと同じです。

不利益を被るのが先の話だった場合、どうしても後回しになってしまいます。

4)把握しておきたいこと

感染症の影響で、体育、部活が制限された世代(主に小1~高3)は、将来的に感染症前、感染症後の世代と比較して、体力、身体能力が劣る可能性が高いです。

運動に必要な神経回路は、5歳から12歳くらいにかけて急激に発達します。

それを踏まえて考えると、最も影響を受けるのは中学生や高校生ではなく、小学生より下の世代かもしれませんね。

先にあげた日本と韓国の比較画像は、中学生と高校の統計データです。

改めてご覧ください。中1の時点で既に差がありますよね。

これは、「中学にあがるまでの過ごし方に差があった」そういう事です。

自主的な体力づくりを迫られているのは、ご年配の世代だけではありませんね。

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