スマホが睡眠の妨げになる理由
以前に、スマホが不登校の要因になっていることがある、といる論旨の記事を書きました。
小中学生や高校生の場合、就寝前のスマホを意識的に敬遠するだけで、劇的に体調が上向き以前のように登校できるケースが少なくありません。
若いだけに、環境を整えさえすれば、自力で回復できてしまうのでしょうね。
その反面、「スマホを止めたものの体調に変化はない」と、ご報告くださる方もいらっしゃいます。
スマホを止めるだけではダメだった、と仰る方の半数以上に、とある共通点が見られましたので今回はそのお話を。
お子さんが、就寝前、あるいは夜間にスマホをどう扱っているのか詳細をお伺いしたところ、全員枕元にスマホを持ち込んでいるという事実が判明しました。
手放さない理由としては、目覚まし時計として利用しているため、という回答が多かったです。
時計としての機能以外にスマホを操作することがないのか確認すると、何らかの通知が届いた際に、画面は見るが反応(返信)しないで直ぐに眠っているとのことでした。
なるほど、動画を観たり、SNSに返信したりすることを考えれば、おおいに評価できます。少なくとも「何とか現状を打破したい」という意思は伝わってきました。
とはいえ、これでは片手落ちであることも事実で、なぜスマホが睡眠の妨げになるのか理解が少し不足しています。
と言いますのも、おそらく通知が届くのはSNSだけではありませんよね? 登録しているアプリが多いほど通知は頻繁になります。
そして、スマホからの通知は、音にせよ、振動にせよ、とにかく気になりやすいのです。
元々は、ユーザーの注意を引く事を目的とした機能ですので、当然といえば、当然かもしれません。
とにかく、夜間には何度も「気になる通知」が届いていてしまうのです。
ところで、睡眠に階層があることはご存知ですよね。
浅い眠り、あるいは深い眠りという言葉を聞いたことがあると思ますが、まとまった睡眠時間をとれば、誰でも等しく深い眠りに到達するのかといえば、そんな事はありません。
ひと晩に数回だったとしても、スマホの画面を確認すれば眠りが中断されるのですから、結果は簡単に想像できます。
都合の悪い事実は他にもあります。
それは、通知に気づいて画面を見た瞬間に、否応なくブルーライトが目に飛び込んでくることです。
ブルーライトとは、ヒトの目で認識できる最も波長が短い光線ですが、そのエネルギーは強力で角膜や水晶体を越え網膜にまで達します。
実は青空と同類の刺激なのですが、晴れた空を見上げた際、何だか無性に活動したい気分になりますよね? それが夜間に数回発生していると考えれば、事の重大さをイメージしやすいでしょうか。
まとめると、通知が届くたびに眠りを中断し画面を確認、そのタイミングでブルーライトの刺激を受けている、そういう事ですね。
夜間は、スマホを違う部屋において置く、それでも効果がなければ、改めてご相談くださいませ。既に自力で不登校を克服できる範疇を超えていると考えます。
スティーブ・ジョブズは、わが子にiPhoneを持たせなかったという逸話がありますね。
事実かどうかはさておき、子供に与えるのを躊躇ってしまうくらい強大な影響力を有する、これは確かでしょう。
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