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中島知久平の必勝戦策。 二、 日、獨、米、英、四國提携策 

 では次の案です。ネタバレするわけではないですが、ほんと、「ウクライナはロシアと和平交渉しろ」と言っている人(最近は見かけないかな?)に、言い聞かしてやりたい内容になっています。

二、日、獨、米、英、四國提携策

 日、獨、米、英、の四國提携策は、日、獨の承認する條件に依っては成立する可能性はある、そして、結局世界戦争は一先ず終局して、平和会議に成ると思われます。

 然し、敵の勝勢盛にして、味方に不利の戦勢に於て休戦することは、
要するに、窮して敵の懐に投ずることと撰ぶ所はない。

 従って、米、英は絶対優越の地位に立ち、一切の指導権を振い、日、獨に臨むことは明らかである、其の結果日本はどうなるでありましょうか。

 平和会議は、隣接弱小國群の復讎の的狂櫌の伴奏中に、米、英は術策を自由に振い、大陸及び南方占領地域は勿論、南洋委任統治領も失うに至ることは必至である、未だそれ計りではない、戦争責任者の所罰問題等の提起せらるることは、前例に徴し避けることは出来ないことは明らかである。元来、日本の抑圧に或る種の国家方針を堅持する米、英は、此の機会に於て、恐るべき最後の魔手を持ち出すことは必至とみなければならない。

 其の時に至って、切歯しても時既に遅しである。

 究極する所、無条件降伏と何等撰ぶ所がなく、断じて皇国保全の道ではない。

 要するに、外交施策は、枢軸側が勝勢盛なる場合に於てのみ可能であり、且つ有効を期し得るものであって、敵側が勝勢極めて盛んなる戦勢に於ては、其の成功は不可能であるのみであらず、強いて之を行はんとすれば、結局無条件降伏同結果に終ることは、幾多戦史の実證する所であって、極めて危険にして、無責任なる妄策であることを、銘記しなければならないと思うのであります。

 いつものように意訳短縮、噛み砕け表現を開始します。


「二、日、独、米、英、四国提携策

 日、独、米、英、の四国提携策は、日、国の承認する条件に依っては成立する可能性はある。そして、結局世界戦争はひとまず終局して、平和会議になると思われます。

 しかし、敵のが有利で、味方が不利の戦局において休戦することは、
要するに、追い詰められて敵の懐に入ることです。

 したがって、米、英は絶対優越の地位に立ち、一切の指導権を振い、日、独にのぞむことは明らかである、その結果日本はどうなるでありましょうか。

 平和会議は、隣接弱小国群の復讐の的狂櫌(※ググっても出てこないが、ニュアンスは分かるよね!)、弱小国の復讐が始まり、その饗宴のタクトを米英は自由に振るいます。大陸及び南方、委任統治領も失います。そればかりではなく、戦争責任者の処罰問題など、前例を持ってすれば避けることは出来ません。元来、日本に抑圧する国家方針の米英はこの機会の恐るべき魔手を持ち出すことは必至です。

 その時に悔しがっても、時すでに遅し。

 究極、無条件降伏に等しく、断じて皇国を守れる道ではない。

 要するに外交講和は枢軸側が優勢の場合のみ可能かつ有効で、敵側の戦局が有利なら、外交施策は不可能であるばかりだけではなく、結局は無条件降伏と同じ結果に成る。いくつもの戦史が実証している所で、極めて危険で無責任な妄策であることを銘記しなければならない」

 あたりでしょうか。

 講和会議をすれば強者の米英が好きなように振る舞い、日本はズタズタになるということでしょう。第一次世界大戦後のドイツが好例です。

 ほんと、近代総力戦は、「終わらせるのが難しい」と、ややため息。双方、内外の事情を含めて平等になれば講和会議は出来るのかもしれませんが。

 次は、

「三、生産増強ノ敢闘策」

 です。

 はい。今日の旧仮名遣いのお勉強です。

 條件←条件

復讎←復讐

狂櫌←きょうゆう? 

もしかして「抂櫌」かな。ニュアンスは大きくハズレてはいないが

切歯←せっし。使わないなー


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