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日記的なもの 47「静かなブレーキング的な話」

 俺の友人の中で運転の上手い奴がいた。
 周囲からは普通に思われていたようだが、俺の中では、彼が一番だった。

 何故に周囲からは上手いと思われていなかったかといえば、その運転技術が地味で目立たないものだったからだ。

 目立たない超技術。それは彼のブレーキング技術が信じられないほどに静かだったからだ。もはや職人の域に達していたとも言える。
 運行管理者時代、100人は超えるくらいの運転する車に乗ったが、誰もがブレーキングの際には多少なりとも衝撃があった。それが当然のことのはず。
 なのに、彼の運転時にはいつからブレーキを踏んだのか分からないほど滑らかに止まるのだ。

 当初は車の性能かと思っていたのだが、友人3人で出かけて交代で運転した時に、明らかにブレーキングテクニックが一人だけ違っていた。
 俺ももう一人もブレーキを踏んだ時に「踏んだな」と同乗者にはっきりと伝わるショックがあるのに、彼だけはなぜか「踏んだ?」というほどにスムースすぎた。

 この違いはなんなのか。
 どれだけ静かに踏もうとも、ブレーキを踏んだ時に同乗者に伝わってしまう。様々な方法を試したが、ブレーキをいつ踏んだのかが分かるような衝撃が必ず発生する。
 彼に聞いても、彼自身がそれを気にすることなくブレーキをしていたので、天性のものなのだろう。

 ほかにも色々なサイトを見たが、これらのページで説明されているような「カックン」とかの話ではなく、本当にブレーキを踏んだのかというような止まり方をしていた。

 もうね、本当にあれ以上のブレーキングテクニックにほかで出会ったことはない。
 あれこそ本当に「運転技術が高い」というものなのだろう。

 まぁ俺の運転技術は、先日書いた通りなので省略。

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