見出し画像

旅の話.60 地中海をフェリーで

イスラエルのハイファから、ギリシャのピレウスまで、地中海をフェリーで移動。デッキで3泊した。

初日の出航直後は、大勢の乗客がガヤガヤしている騒がしいデッキで3泊もするのはキツイな……と、少し後悔していた。
悪ガキグループが、タバコを吸いまくり、ゴミを捨てまくり、大騒ぎをしていて、治安が悪かった。

しかし、翌朝キプロスに着くと、悪ガキグループを含む乗客の半分以上が船を降りた。デッキは広く、静かな快適空間になった。

地中海の青色は独特で美しかった。
大型フェリーだからほとんど揺れず、船酔いの心配はなかった。
ティベリアで会った、バイク旅をしているポーランド人と再会した。
彼は普通に客室チケットで乗船しているので、僕がデッキで寝泊りしていると言ったら驚いていた。

ベンチは寝ずらいので、床に寝袋を直接敷いて寝た。
星空を見ながら、波音を聞きながら、心地よい揺れを感じながら眠った。

翌朝、目覚めると周りに人だかりができていた。
しばらくして、ロードス島に着いた。乗客の乗降りや、荷物の積み下ろし、燃料補給などで、3時間滞在した。ちょこっと観光をし、ドーナツと果物を買って船に戻った。

夕日が沈む

夜20時、サントリーニ島に着いた。
確認したい事があったので、港のインフォメーションへ行った。
インフォメーションのブースは、なぜか沢山あるのに、質問すると
「わからない、あっちで聞いて」とたらい回しにされる。
結局分からずじまいで、頭にきた。エジプトよりひどい。
さらに売店でホットドックを買って食べたら、パンはカチカチに硬く、ソーセージはとろける程のやわらかさ。逆でしょう。

どこだかわからない島


そして、翌日15時頃ギリシャのピレウスに着いた。

僕と同じようにデッキで3日間をすごした、スウェーデン人のジョセフィンが「もしアテネまで行くのなら、一緒に行こう」と誘ってくれた。
ジョセフィンは背が高く、ジョン・レノンのような丸メガネをした、ショートカットの女性だ。なんとなく、志村けん扮する子供に似ているので、僕は密かに「ケン坊」と呼んでいた。

総勢8人の多国籍チームで、ピレウスから電車に乗ってアテネを目指した。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?