旅の話.47　ポート･サイド②

エジプトの朝食

ポート・サイドのYH（ユースホステル）で朝食を食べる。
フールという干しそら豆を煮込んだものに、植物油をかけたもの。
これをフォークの背でつぶして、ライムを搾って塩をふる。
そして、アエーシという中が空洞でポソポソした、ピタみたいなパンですくって食べる。残念ながらそんなに美味しくない。
あとは、ゆで卵と砂糖がたっぷり入った紅茶だ。

アイマンと3人の友達（2日目）

15時頃ビーチへ行き、昨日出会ったアイマン達を探した。
30分程経って、彼らは現れた。なんか昨日よりいい服を着ている。
泳ぐつもりらしく、水着も着込んでいた。
しばらく話をしたあと、泳ぎに行ったが、僕は水着を着ていないので荷物番をした。無防備にも彼らの財布は丸出しだ。僕の事を信用しているんだろうけど、なんだか少し不安にもなる。

しばらくしてスエズ運河の対岸の街、ポート・ファードへ行った。そこはフリーゾーンという自由貿易地区になっていて、様々な外国製品が買えるらしい。わざわざ遠くから買いに来るエジプト人も多いらしい。無料のフェリーが行き来しているので、それに乗って行った。
どんな所か、じっくり見てみたかったが、その前にのどが渇いたので、
「ごちそうするからコーラでも飲もうよ」と、提案をした。
すると、彼らは相談して「じゃあポート・サイドに戻ろう」と言って歩き出してしまった。どうしても僕にお金を出させたくないのか、せっかく来たのにコーラのためにすぐ戻るのは嫌だけど、ここは彼らの流儀に従う事にした。

ポート・サイドに戻り、多分コーラを飲める所へ向かって歩いている途中、警察官みたいな人に呼び止められた。アイマン達は何やら話をして身分証を見せたあと、僕に「ごめん、もう帰らなくちゃ……」と言った。
突然のさよならだ。
この国はわからない事が多すぎる。

YHへの帰り道、KFCがあったので、思わず中へ入った。
フライドチキンとポテトとコーラ。
思ったとおりの知ってる味に、なんだかすごく安心した。