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旅の話.66 ペルージャ①

ナポリの駅まで一緒に行く約束をしていた赤井さんは、寝坊して準備が遅れた。「先に駅へ行ってて」と言うので、先に出発したが、発車時刻までに来なかったので、ちゃんとお別れをできなかった。

ナポリから電車で約2時間で、ローマに着いた。
ローマもいずれ観光するけど、まずはペルージャを目指す。
ローマからフォリーニョまで進み、そこでペルージャ行きの電車を待った。

香港の女性、アリスンと知り合った。
ここでは珍しい同じアジア人だからか、自然と挨拶をし、話をした。
普段はローマでシステムエンジニアとして働いているそうだ。
この日は土曜日で、ペルージャへ1泊の旅行へ行くところだそうだ。
落ち着いた、安心感のある綺麗な人だった。
目的地が同じだし、一緒に行こうって事になった。

約40分でペルージャの駅に着いた。
街の中心は、ここよりさらに山の上にあるので、バスに乗って坂道を登る。
ペルージャは城壁に囲まれた、山の上の城塞都市だ。
イタリアは各地に栄えた都市国家が集まった国なのだ。

アリスンの予約したホテルの前で一旦別れた。
15時にドゥオーモの前でまた会う約束をして、僕は自分が宿泊する安宿を探した。しかし16時まで閉まっているとの事。理由はお昼休憩と、その後のお昼寝休憩。これがあの有名なイタリア文化のシエスタってやつだ。
旅人からすると、困る。

情報収集と、荷物の一時預かりを期待してツーリストインフォメーションを訪ねた。しかしここも15時30分まで休憩中。何もできない。
どうしようか考えていると、アリスンが歩いてきた。
経緯を話し、約束の時間を17時に変更してもらった。

16時に宿にチェックインできた。
1泊16,000リラ(1,000円程)で安いのに、綺麗で清潔だった。
1部屋4ベッドのドミトリーで、ベッドの寝心地もいい。
ラウンジもキッチンも綺麗で、窓からの景色もいい。
腹ペコだったので、早速キッチンへ行って、なかなか食べられずバックパックの中でベコベコになっていたカップヌードルを作って食べた。

17時、約束のドゥオーモの前でアリスンと会った。
いろいろな話しをしながら大聖堂の中を見て、周辺を散歩した。
山の上の街だから、周りの景色も山々だ。
今思えば、なんとなく高尾山っぽい

イタリア生活の長い彼女から、いろいろ教えてもらった。
よく使う便利なイタリア語のフレーズや、飲食店の呼び名の違い、カプチーノは午前の飲み物だとか、生活してわかるニュアンスの違いが面白い。
夕食を一緒に食べて別れた。

彼女はこの2週間前にプロポーズを受け、来年1月にローマで結婚式を挙げる予定だと言った。22年経った今も幸せだといいな。

つづく

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