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旅の話.50 ヌエィバ①

シャルム・シェイクから北東の街、ヌエィバへ行く。

昼にチェックアウトして、ウェルカムおじさんの店で最後のスパゲッティを食べた。おじさんが「ウェルカム!」と言うたびに僕と石川さんが爆笑するので、気分が良いのか、いつも以上に張り切っていた。
ウェルカムおじさんが店主かと思っていたが、実はいつもいる子供みたいな若者が店主だと、最後に知ってびっくりした。
「このおっちゃんと腕相撲して、勝ったらコーラを1本あげるよ」
と言うので、挑戦して僕も石川さんも勝ち、無料コーラを飲んだ。

13時頃、バスターミナルへ行き、切符売場の列に並んだ。
やっと自分の番になり「ヌエィバ行き、1枚」と言ったら、
「運転手から直接買って」と言われた。

15時頃、バスは出発した。
乗客は少なく、ほとんどの人は手前のダハブで降りてしまった。
ヌエィバへ行くのは、僕ともう一人だけだった。
その一人は、ヌエィバのタラビーン村にあるベトラと言うキャンプ宿で料理人をしているオサムというおじさんだった。
英語は話せないけど、まじめで優しそうな雰囲気のシャイなおじさんだ。
相談して、僕もそのベトラに泊まる事にして、運転手には追加料金を払いそこまで行ってもらった。

ベトラは、すごく良かった。
客室は小さなバンガローだった。穏やかな海ときれいな砂浜が目の前に広がっていた。砂浜に絨毯が敷かれ、のんびりくつろげる。
これで1泊10£E(300円程)は破格だ。

近所を散歩してみた。
スーク(商業地区)があったので、立ち寄ってみた。
絨毯屋でアルバイトをしている2人と仲良くなった。
大学生のショウキーは英語が話せた。
もう一人のアリは、サッカー選手らしい。

ヌエィバは、イスラエルから近く、イスラエル人にとって人気のリゾート地になっているみたいだ。そして、英語の話せるショウキーのような学生にとっては、人気のリゾートバイト先でもあるらしい。エジプトでは、学校の成績に応じて選べる外国語が決まってしまうらしい。アリは英語が選べなかったと言っていた。

日本人が珍しいのか、噂を聞きつけて人が大勢集まって来た。
ショウキーが通訳をしてくれるので、いろんな人が話しかけてくれた。
いいかげん疲れてきた頃、まだ勢いは衰えない雰囲気だった。
収拾がつかないので、明日もまた来ると約束して、宿に戻った。
少しだけ有名人の苦労がわかった気がした。

つづく



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