旅の話.10 アデレード②
実は、お金が残り少なくなってしまった。
ウルルでツアーガイドのアルバイトをするつもりだったが、出来なかった。
ノーザンテリトリー大学の語学学校の先生と「これからどうするの?」って話をしていた時に、「ウルルに行くのでのツアーガイドの仕事が出来たらいいなと思っている」と言ったら、「じゃあ手紙を書いて送ってみな」とアドバイスをもらった。そして返事には「その時募集していれば、たぶんオッケー」みたいな事が書かれていた。
ウルルに着いて、手紙の返事をくれた人と会ってみると、
「残念だけど、シーズンオフになってしまったから、今は募集していない」との事。じゃあしょうがない、と予定よりだいぶ早くアデレードに着いた。
アデレードで仕事を探してみたけど、ワーキングホリデービザで出来る仕事は見つからなかった。困った。そんな時、図書館で読んだ「朝日新聞」に、
「サッカー日本代表、W杯予選、絶望的」との記事があった。
1998年フランスW杯のアジア予選の終盤だった。
日本に一時帰国するため、往復の航空券を買った。
オープンしたばかりだと言うH.I.Sで購入した。僕が最初の客だそうだ。
スタッフは男女のペアで、やさしくて面白い人達だった。
食事に連れて行ってくれたり、プレゼントをくれたりと、とても親切にしてもらった。今もお元気だろうか。
結構長く滞在したから、キャノンストリート・ロッジのスタッフとも仲良くなった。スタッフが着てるオリジナルTシャツが格好良くて、欲しかった僕は「そのTシャツは買えるの?」と聞いてみた。すると「みんなにはナイショだよ」と言って1枚くれた。うれしかった。
日本行きの飛行機は、ガルーダ・インドネシア航空だった。途中バリ島でトランジットする。
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