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強烈で刺激的でなかなかない面白すぎた出逢いin大阪

昨年9月末に親友の結婚式で大阪へ
なかなか行くこともなくせっかくなので京都、奈良へも

京都 金閣寺(鹿苑寺)
奈良 大仏(盧舎那仏)
奈良 法隆寺中門(阿形、吽形)
京都 清水寺


歴史や神社仏閣、文化財などが好きなのでいろいろ自分の目で見て、直に触れ、近くで感じられた事はとても貴重で幸せな時間だった

そして大阪は難波にホテルをとっていたので最終日はちょいと一杯でもと難波の街へ

夜の道頓堀


ただ履いていた雪駄の鼻緒が片方切れていたので足を若干引きずるような形で歩きにくかったので近くで探すことに

チェーン店ではなく地元の方に愛されているようなお店を探していると小さな立て看板に「鹿児島」の文字が

やはり鹿児島出身の私としては大阪で「鹿児島」の文字を見るとも思っていなかったので迷わず地下に降りていった

そこにはカウンターがあり常連さん達が一斉にこちらを振り向く
なかなか一見さんは来ないのか皆さん少し驚いた様子

私は「1人ですけど大丈夫ですか?」と聞くと店長さんは快く入れて下さり常連さん達もすぐに話しかけてくれた

結果的に鹿児島はほぼ関係なく、ただその店長さんは大阪で役者をやっていて劇団もやられているとの事で有名人もいらっしゃるそうで店内には沢山のサインがあった

常連さんが頼んだたこ焼きのお裾分けをいただき大阪にきて初たこ焼きだったのもありとても美味しかった

本場の方が作る本場のたこ焼き



常連さんのまさかの職業に驚いたり、女性の常連さんの恋愛事情で盛り上がったり、いろんな大阪噺、カラオケやらととても楽しかった

常連さんが帰った後も店長さんとその後数年ぶりに来たという店長さんの先輩と私で何故か昔の話しで盛り上がる

有名人の裏話しも面白かった

そして私はお店を出るといつの間にやら深い時間に
明日も朝イチ行きたいところもあったので帰ろうと雪駄を引きずりながら歩きだす


するとそこに颯爽と自転車に乗った1人のお姉ちゃまとすれ違う
小柄で派手なお姉ちゃまは急に止まり私に「お兄ちゃん足どーしたん⁈」と声をかけた

私「いや雪駄の鼻緒が切れたんで脱げないように引きずってるんです」
お姉ちゃま「そーか歩きにくいやろ」
私「ですねぇ、でもまあホテル近いんで」
お姉ちゃま「どっから来たん?」
私「東京から、友人の結婚式できました」
お姉ちゃま「東京かぁ、大阪ええやろ」

私はその喋りっぷりにさすが大阪だなぁと感じながらもお姉ちゃまと楽しく話していた

するとお姉ちゃまは突然まさかの行動にでた

お姉ちゃまは突然「ほな靴下はき!」と自転車を降りはじめた

私は大阪風冗談だと思い「いやいや大丈夫ですよ」と笑っていたら本当に靴を脱ぎはじめ慌てて「いや、本当に大丈夫ですよ!」お姉ちゃまは「ええねんええねん」と言いつつ靴下を脱ぎ私の足へ履かせようと足を掴む

深夜難波の路地裏で足に靴下を履かせようとするお姉ちゃまとそれに戸惑う男

その異様な光景をへて靴下を履かせてもらい「ええやん、似合ってる!」と褒めていただき「それええ靴下やねん」と靴下の価値を教えていただいたとこでお姉ちゃまが「兄ちゃんお酒飲めんの?」と尋ねられたので「飲みますよ」と応えると「ほな一杯連れてったるわ!いこか」と

私は一瞬大丈夫か⁈と思ったが大阪最終日だしこのなかなか味わえないシチュエーションにまだおもしろくなりそうな予感もありなんといっても靴下のお礼もあり「ありがとうございます」と応えると「ほな後ろ乗り!」とお姉ちゃま
電動自転車だったけど私はさすがに無理だと思い「いや走りますよ」と応えると「ええからはよ!」
お姉ちゃまの高音ボイスに圧倒され無理だろうと思いながらも私は後ろに乗る

するとお姉ちゃまはハンドルを握り立ちながらペダルを踏み続け自転車を走らせた
私も最初バランスをとりながら乗っていたが次第にスムーズに走り出す

もう遅い時間だったこともあり人はほとんどおらずお姉ちゃまに難波の街を紹介されながらえびす橋を渡った

2人乗りはダメと知りつつも、子供の頃からの女の子と2人乗りしながらキャッキャしたいという夢を立ち位置は逆だけどお姉ちゃまに叶えてもらい夢心地のなか薄暗い路地裏へついた


お姉ちゃまは「あやしいやろ、この上や」と言いながら自転車をとめる
たしかにその外観はあやしい雑居ビル、私は万が一危険を感じた時はダッシュできるよう屈伸とアキレス腱だけこそっと伸ばした

お姉ちゃまと階段をのぼり重厚な扉の前へ
扉が開くと中はたしかにあやしくも昭和の香りが漂いたくさんの楽器や昔の洋楽スターのポスターが貼ってある音楽BARだった
お姉ちゃまとカウンターに座り店員さんは少し驚いた様子でお姉ちゃまが経緯を説明すると「この人変わったおばちゃんだから」と笑いながらお酒をつくってくれた

音楽をやってるお客さんもいて先程ライブが終わったらしく店員さんと盛り上がっていた
お姉ちゃまとは再度「それええ靴下やねん」という話しから旦那息子の話しや仕事の話し、私の話しをすると「某有名俳優は大阪きたら連絡してきて飲むんよ」「あいつにドラマで関西弁教えたのはウチやねん」というあやしい話しで盛り上がった

そうして気づくと丑三つ時を過ぎておりそろそろとなり店を出た

「ホテルはどこなん?」と聞かれたので「宗右衛門町のハジの方にある道頓堀沿いの…」と説明すると「ほな後ろ乗り!送ったるわ」とお姉ちゃま

もう遅い時間だったし宗右衛門町は東京でいう歌舞伎町のようなとこでありホストやいかつい兄ちゃん達がまだたくさんいて断ろうとしたら「ええからはよ乗り!」と

また立ち位置逆の夢を叶えてもらい宗右衛門町を突っ走りお姉ちゃまは「すいませーん!通りまーす」と言いながらホストやいかつい兄ちゃん達をかき分けながらみんな「え?」「どんな構図?」という顔をしながら道をあけていた

今すぐにでも単館系映画のワンシーンになりそうな非日常すぎる時間に軽く興奮しながらホテルについた

私は感謝を伝えるとお姉ちゃまは「ほながんばりや!」と言うと颯爽と去っていった
お姉ちゃまが見えなくなり私はなんとなくその場でお姉ちゃまから履かせてもらった靴下を写真におさめた

履かせてもらった素敵なピンクの靴下


そうして私の大阪最後の夜は明けていった


こっちに戻り大阪や関西の人にこの話しをするとそんな出逢い経験したこともないし聞いたこともないと

私もいろんな出逢いはあるがここまで強烈で刺激的でおもしろかった出逢いはない

"難波の妖精" "難波の走り屋"はたまた"難波のおばちゃん"…

どんな異名がふさわしいかはわからないが難波の夜、小柄で派手な謎のお姉ちゃまと過ごしたひとときは私にとって決して忘れられない最高の思い出となった


最後に鼻緒が切れるという良くないことの前兆とされる迷信は私には当てはまらないという事と、私のように特殊な訓練を受けていない方は知らない人について行ってはいけないという事をここに記す

道頓堀沿いで出会った猫 まさか…

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