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大浦天主堂



「私達ノ心アナタト同ジ。サンタマリアノゴ像ハドコ?」
浦上の潜伏キリシタンの年配女性3人が、プチジャン神父の耳元でささやいた。
この時、プチジャンは歓喜した。


大浦天主堂は、幕末の開国にともなって造成された長崎居留地に、在留外国人のために建設された中世ヨーロッパ建築を代表するゴシック調の教会で、現存するものでは日本最古である。自らの信仰のために命を絶った日本二十六聖人に捧げられた教会であり、天主堂の正面は命を絶った地である西坂に向けて建てられている。

フランス人宣教師のフューレとプチジャンの両神父(設計指導者)と天草の小山秀之進(施工)によって、1865年2月に建てられ、この直後の3月に、浦上の潜伏キリシタンが訪れ、信仰を告白したことにより、世界の宗教史上にも類を見ない「信徒発見」の舞台となった。

命をかけて信仰を告白した彼女たちの勇気と、慈悲深さ、信仰心の厚さに、世界宗教史の歴史が動く。


250年ぶりの日本でのキリシタン復活であったが、このまま信仰の自由は実現しなかった。明治政府による政策により、キリシタンを邪宗門として信仰を禁じ、浦上キリシタン対して拷問・弾圧を加えた。
この事は国際問題となり、維新政府はキリシタン禁止の高札を除去することになる。


1875年と1879年の増改築により、平面形式と外観デザインも変容し、外壁も木造からレンガ造に変更されたが、内部空間の主要部には創建当初の姿が保存されている。また、聖堂内を飾るステンドグラスの中には、約100年前に作られたものも残っている。

1933年に国宝となり、原爆による損傷の修復が完了した後、現存する日本最古の教会建築として1953年に再度国宝に指定された。

2018年にはユネスコの世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つとなった。

世界遺産にも認定された大浦天主堂は、長崎観光をする際には外せないスポットとなり、国内外の観光客で賑わっている。




《基本情報》

・位置情報 

〒850-0931 長崎県長崎市南山手町5-3

・交通アクセス 

JR長崎駅前から路面電車(崇福寺行に乗車し新地中華街電停で乗換えて石橋行に乗車し大浦天主堂電停下車)利用20分、徒歩5分

・営業時間

8:30~18:00

・休日

年中無休

・料金

大人1,000円、中高400円 、小学生300円

・駐車場 なし

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