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【DX企業紹介8】スワン ~長崎のクリーニングサービスを全国へお届けする~

2040年問題を見据え、若者・女性にとって魅力的で良質な雇用の場の創出を目指す長崎県サービス産業経営体質強化事業は、県内企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援しています。

今年度は株式会社日本総合研究所の協力の元、県内企業13社のDXを推進し、次世代に向けた「稼ぐ力」の強化を行っています。2022年3月14日~16日にその成果を長崎県DXフォーラム(zoom)で発表することとなりました。 

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 企業紹介8社目は長崎県内の宅配クリーニング屋スワンです!

縮小するクリーニング市場とオンライン宅配クリーニングへの活路

 株式会社スワンは、昭和45年に創業した老舗のクリーニング屋です。長崎県内にて38の店舗を展開し、地元密着型で長崎県の人々に愛され親しまれてきました。しかし、県内の人口減少とともに、スワンの利用者も減少する一途でした。
 家庭用洗剤や洗濯機性能の向上、また、ノンアイロンシャツや形状記憶シャツといったホームクリーニング対応衣類の普及に加え、ビジネスのカジュアル化やクールビズの推奨に伴って、全国の実店舗型のクリーニング市場は、年々縮小傾向にあります。さらに、コロナ禍のステイホームやテレワークの浸透により、ビジネス衣料を中心に需要が大きく落ち込みました。
 このクリーニング市場への逆風は、スワンも例外ではありませんでした。「このままではジリ貧で、クリーニング屋は衰退してしまう。何とか手を打たないといけないと思った。」取締役常務執行役員の原竜一氏は、当時の状況をこのように語りました。
 そこで、スワンは、5年前に始めたオンライン宅配クリーニングの事業強化に注力していくこととなります。オンライン宅配クリーニングは、ネットで注文し、自宅で商品を発送し、受け取ることができる自宅完結型のサービスです。オンライン宅配クリーニングはその利便性から、東京や大阪等の都市部を中心に需要が高まっていました。スワンは、楽天市場ヤフーショッピングにてサービスを展開しており、全国の利用者から好評をいただき、確かな手ごたえを感じ始めていました。

自社ECサイト開発による顧客の新規開拓

 「オンライン宅配クリーニングサービスで事業を立て直していきたい、そのためには、ECモールの出品だけではなく、自社でECサイトを開発していく必要がある。」と原氏は考えました。自社のECサイトを通じて、より多くのお客様との接点を増やすとともに、お客様とのコミュニケーション機会を増やしていくことが狙いでした。
 スワンは現在、Shopifyを活用した自社ECサイトの開発を進めています。商品を対面で預けて受け取る実店舗型のクリーニングとは異なり、オンライン宅配クリーニングは下図に示す業務フローが存在します。①お客様から注文を頂き、②クリーニングキットを配送、③お客様が商品をキットに入れて返送していただき、④検品を行い、⑤工場でクリーニングを行い、⑥お客様にクリーニング品を返送するという流れです。大切な商品を安心してお預けいただくため、スワンのECサイトは、この進捗状況が一目でわかるようなステータス管理の機能を開発予定です。

図2

出所:スワンへのヒアリングを基に日本総研作成

カメラ撮影によるAI自動識別機能の開発

 また、スワンのオンライン宅配クリーニングでは、クリーニング事故(クリーニングによる破損等)を防止する観点から、お預かりした衣類の種類や状態を工場で検品しています。しかし、検品の作業には、熟練の目利きが必要で、特定のスタッフにしか任せられないことが、業務効率化のネックとなっていました。さらに、検品情報をお客様にお伝えする場合は、メールでのコミュニケ―ションが中心となるため、対面の時のように正確に情報を伝達することが難しいという課題も抱えていました。
 そこで、スワンは、お預かりした衣類を画像による記録として残し、AIを活用して衣類の種類を自動判別することで、受付検品業務の効率化を図ることとしました。今後、学習データの蓄積によるAI判定精度の向上を図るとともに、検品情報をお客様と共有できるアプリケーションの開発を検討しています。

長崎のクリーニングサービスを全国のお客様へ

 スワンは、長崎で培った確かなクリーニング技術を基に、自社ECサイトやAI識別カメラの開発といった新たな変革に果敢に取り組み続けています。この原動力について原氏は次のように語りました。「私たちと同じように苦しんでいるクリーニング屋は全国に沢山存在している。『クリーニング屋は儲からない』という固定観念を払拭し、より付加価値の高いクリーニングサービスを創出して、そのロールモデルとなっていきたい。」

図3

取締役常務執行役員の原竜一氏

 長崎のクリーニングサービスを全国のお客様へお届けする―この夢を叶えるため、スワンの挑戦はまだ始まったばかり。スワンの挑戦を是非応援してください。 

 スワンは3月14日に登壇し、自社ECサイトからAI識別カメラの開発ストーリーをお話いただく予定です。スワンの熱い想いを是非間近でご覧ください! 

長崎県DXフォーラム(zoom)開催!
日時:2022年3月14日(月)~16日(水) 各17:00~18:00
参加費:無料
参加方法:オンライン(zoom)
登壇者:長崎県内のDX推進事業者10社程度(各回3名登壇予定)
ご参加対象者:DXに興味がある方、
中小企業のデジタル活用に興味がある方、
長崎の未来を盛り上げていきたい方

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文責:株式会社日本総合研究所 中村美穂

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